監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。

医療脱毛をうけたあとに、肌にボツボツができてしまったことはありませんか。 せっかくつるつるの肌をめざして施術をうけたのに、赤みやぶつぶつができてしまうと不安になりますよね。 実は、医療脱毛後のボツボツは多くのかたが経験する症状で、適切な対処をすることで改善できるものがほとんどです。

本記事では、医療脱毛前後にみられるボツボツの原因から、部位別の特徴、効果的な対処法まで、専門的な観点から詳しく解説していきます。 とくに施術後のボツボツに悩んでいるかたや、これから医療脱毛をはじめようと考えているかたにとって、役立つ情報をお届けします。 症状の種類や発生時期をただしく理解することで、過度な心配をせずに適切な対応ができるようになるでしょう。

CONTENTS

医療脱毛前に見られるボツボツ肌の原因と影響

既存の肌トラブルによるボコボコブツブツ

医療脱毛をはじめる前から、肌にボツボツやブツブツがあるというかたは少なくありません。 これらの肌トラブルは、毛穴のつまりや皮脂の過剰分泌、炎症などが主な原因となっています。 とくに思春期以降の大人ニキビや、角質がたまりやすい体質のかたは、肌表面がでこぼこしやすい傾向にあります。

脱毛前の肌トラブルとして代表的なものには、以下のような症状があげられます。

• 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)による二の腕のざらつき
• 埋没毛による肌のボコボコ
• ニキビ跡による凹凸
• 角栓のつまりによる黒ずみ
• 乾燥による肌のざらつき

これらの症状がある状態で医療脱毛をうけると、レーザーの熱が均等にあたらなかったり、肌への負担が大きくなったりする可能性があります。 そのため、施術前には肌の状態をととのえることがとても重要になってくるのです。 日頃から保湿をしっかりとおこない、規則正しい生活をこころがけることで、肌のコンディションは改善されていきます。

肌トラブルの種類 主な原因 改善方法
毛孔性苔癬 遺伝的要因・乾燥 保湿・角質ケア
埋没毛 誤った自己処理 正しいシェービング
ニキビ跡 炎症後の色素沈着 美容医療・時間経過

 

脇のボツボツとエクリン腺の関係

脇のボツボツについて、多くのかたが気にされているのがエクリン腺との関係です。 エクリン腺は全身にある汗腺のひとつで、とくに脇の部分には密集して存在しています。 このエクリン腺が発達していたり、活発にはたらいていたりすると、肌表面にボツボツとした隆起がみられることがあります。

医療脱毛をおこなっても、エクリン腺そのものはなくなりません。 ただし、脱毛によって毛穴がひきしまり、皮脂の分泌が低下することで、エクリン腺が目立たなくなることはあります。 脇のボツボツが気になるかたは、脱毛とあわせて制汗剤の使用をひかえたり、適度な運動で汗腺のはたらきをととのえたりすることがおすすめです。

エクリン腺によるボツボツの特徴として、以下のような点があげられます。

• 汗をかきやすい時期に目立ちやすい
• 触るとやわらかく、痛みはない
• 左右対称にあらわれることが多い
• 色は肌色から薄いピンク色
• サイズは1〜2ミリメートル程度

これらの特徴をもつボツボツは、病的なものではなく生理的な現象といえるでしょう。 しかし、見た目が気になるというかたは、皮膚科医に相談してみることも大切です。 適切な診断をうけることで、安心して医療脱毛にのぞむことができます。

脱毛前の肌状態が施術に与える影響

医療脱毛をうける前の肌状態は、施術の効果や安全性に大きく影響します。 健康的な肌であれば、レーザーの熱が毛根にしっかりと届き、効果的な脱毛がおこなえます。 一方で、肌トラブルがある状態では、施術を断られたり、出力をさげての照射になったりすることがあるのです。

とくに注意が必要なのは、日焼けした肌や極度に乾燥した肌での施術です。 日焼けした肌にレーザーをあてると、メラニン色素に過剰に反応してやけどのリスクが高まります。 また、乾燥した肌はバリア機能が低下しているため、通常よりも痛みを感じやすく、施術後の肌トラブルも起こりやすくなってしまいます。

肌の状態 施術への影響 必要な準備
日焼け肌 やけどリスク増大 2週間以上の待機
乾燥肌 痛み・赤み増加 1週間前から保湿強化
炎症性ニキビ 施術不可の可能性 皮膚科治療を優先

 

医療脱毛を成功させるためには、施術の1〜2週間前から肌のコンディションをととのえることが大切です。 十分な保湿と紫外線対策をおこない、規則正しい生活をこころがけましょう。 肌の状態がよければ、施術後のボツボツなどのトラブルも起こりにくくなります。

医療脱毛後のボツボツの種類と発生時期

施術直後の赤みとボコボコブツブツ

医療脱毛の施術直後にあらわれる赤みやボコボコブツブツは、もっとも一般的な反応のひとつです。 レーザーの熱エネルギーが毛根を破壊する際に、周囲の皮膚にも熱がつたわることで炎症反応が起こります。 この症状は正常な反応であり、多くの場合は数時間から数日で自然におさまっていきます。

施術直後の赤みの特徴としては、照射した部位全体がほんのりと赤くなることが多いです。 とくに毛が濃い部分や、皮膚がうすい部分では反応が強くでやすい傾向にあります。 触ると少しあたたかく感じることもありますが、これは熱がこもっている証拠といえるでしょう。

直後の症状として、以下のような特徴があらわれることがあります。

• 肌全体のほてりと赤み
• 毛穴周辺の軽い腫れ
• ひりひりとした軽い痛み
• 肌のざらつきやごわつき
• 一時的な敏感肌状態

これらの症状に対しては、施術後すぐに冷却をおこなうことが効果的です。 クリニックでは施術後にクーリングの時間をもうけているところが多く、炎症を最小限におさえる工夫がされています。 帰宅後も保冷剤をタオルでつつんで患部にあてることで、症状の緩和がはかれます。

数日後に現れる白いブツブツ(毛嚢炎)

施術から2〜3日後にあらわれる白いブツブツは、毛嚢炎(もうのうえん)とよばれる症状です。 毛嚢炎は、脱毛によってダメージをうけた毛穴に細菌が侵入することで起こる炎症反応です。 見た目はニキビににていますが、発生のメカニズムがことなるため、対処法もちがってきます。

毛嚢炎は、とくに以下のような条件がそろうと発生しやすくなります。 施術後の肌がデリケートな状態であること、汗をかきやすい季節であること、不衛生な環境にさらされることなどです。 また、もともと脂性肌のかたや、毛が太くて濃いかたも毛嚢炎になりやすい傾向があります。

発生時期 症状の特徴 治癒期間
施術後1〜3日 白い膿をもったブツブツ 3〜7日程度
施術後3〜5日 赤みをおびた隆起 1週間程度
施術後1週間以降 しこりのような硬さ 2週間程度

 

毛嚢炎ができてしまった場合は、決してつぶしたりさわったりしないことが重要です。 自然に治癒するのをまつか、症状がひどい場合は抗菌薬の使用を検討しましょう。 適切な処置をおこなえば、あとをのこさずきれいに治すことができます。

蚊に刺されたような症状の特徴

医療脱毛後に「蚊に刺されたような」症状があらわれることがあります。 これは、施術後6〜72時間以内に発生することが多く、アレルギー反応の可能性がかんがえられます。 赤くふくらんだ部分に強いかゆみをともなうのが特徴で、じんましんのような症状をしめすこともあります。

この症状は、レーザーの熱や使用されるジェルなどに対する過敏反応として起こります。 とくにアトピー体質のかたや、もともとアレルギーをもっているかたに発生しやすい傾向があります。 症状がでた場合は、すみやかにクリニックに連絡をとり、適切な処置をうけることが大切です。

蚊に刺されたような症状の見分けかたとして、以下のポイントがあげられます。

• 施術部位に限局して発生する
• かゆみが強く、掻きたくなる衝動がある
• 時間とともに範囲が広がることがある
• 抗ヒスタミン薬で改善することが多い
• 数日から1週間程度で自然に消失する

このような症状があらわれた場合は、冷却と保湿をおこないながら様子をみましょう。 かゆみがつよい場合は、市販の抗ヒスタミン薬を使用することも検討できます。 ただし、症状が悪化したり、呼吸困難などの全身症状があらわれたりした場合は、すぐに医療機関を受診してください。

毛穴の盛り上がりと肌荒れ期間

医療脱毛後には、毛穴がもりあがったような状態になることがあります。 これは、レーザーの熱によって毛穴周辺の組織が一時的にはれることでおこる現象です。 とくに毛が太くて濃い部位では、この症状が顕著にあらわれやすくなります。

肌荒れ期間は個人差がありますが、一般的には施術後3日から1週間程度つづきます。 この期間中は、肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下している状態です。 そのため、いつも以上に丁寧なスキンケアが必要になってきます。

経過日数 肌の状態 必要なケア
当日〜翌日 赤み・ほてり 冷却・保湿
2〜3日後 毛穴の盛り上がり 保湿・刺激回避
4〜7日後 回復期 通常のスキンケア

 

毛穴の盛り上がりは、時間の経過とともに自然におさまっていきます。 この期間中は、肌に刺激をあたえないよう注意し、十分な保湿をこころがけましょう。 また、メイクをする場合は、できるだけ軽めにして肌への負担をへらすことが大切です。

ボツボツが出やすい部位とその特徴

VIOラインのボツボツの原因

VIOラインは、医療脱毛後にボツボツがでやすい代表的な部位のひとつです。 この部位の皮膚はほかの部位にくらべて薄くデリケートで、下着との摩擦や蒸れなどの刺激をうけやすい環境にあります。 さらに、VIOの毛は太くて濃いため、レーザーの熱が集中しやすく、炎症反応も強くでる傾向があります。

VIOラインでボツボツが発生する要因として、以下のようなものがあげられます。 まず、皮膚が薄いことによる刺激への敏感性があります。 つぎに、下着の締めつけによる血行不良や摩擦があります。 さらに、汗や分泌物による湿潤環境が細菌の繁殖をうながすこともあります。

VIO脱毛後の注意点として、以下のポイントをまもることが大切です。

• 通気性のよい綿素材の下着を着用する
• きつい下着やズボンは避ける
• 清潔をたもち、こまめに下着を交換する
• トイレットペーパーでこすりすぎない
• 専用の保湿剤でケアをおこなう

とくにIラインやOラインは、自分では確認しづらい部位であるため、違和感をかんじたらすぐにクリニックに相談することをおすすめします。 適切なケアをおこなうことで、VIOラインのボツボツも予防・改善することができます。 デリケートゾーン専用の保湿剤を使用することで、肌への負担をへらしながら効果的なケアがおこなえるでしょう。

顔の赤みとブツブツの特性

顔の医療脱毛後にあらわれる赤みやブツブツは、ほかの部位とはことなる特徴があります。 顔の皮膚は薄くてデリケートなうえに、常に外気にさらされているため、環境の影響をうけやすいのです。 また、顔は人目につきやすい部位であるため、症状があらわれると精神的なストレスにもつながりやすくなります。

顔脱毛後の赤みは、頬や額、あごなどに均等にあらわれることが多いです。 とくに産毛が密集している部分では、レーザーの熱が集中しやすく、赤みが強くでることがあります。 メイクでカバーしたくなりますが、施術直後は肌を休ませることが大切です。

顔の部位 症状の特徴 注意点
赤みが出やすい 前髪の刺激を避ける
乾燥しやすい 重点的な保湿が必要
鼻下・あご 毛嚢炎ができやすい 男性は特に注意

 

顔のボツボツを予防するためには、施術前後のスキンケアがとても重要になります。 洗顔はやさしくおこない、保湿を十分にして、紫外線対策も忘れずにおこないましょう。 また、施術後数日間はメイクをひかえめにして、肌に負担をかけないようにすることが大切です。

ワキのボコボコとかゆみ

ワキは医療脱毛でもっとも人気の高い部位のひとつですが、施術後のボコボコやかゆみに悩まされることがあります。 ワキの毛は太くて濃いため、レーザーが強く反応し、熱によるダメージをうけやすいのです。 また、汗をかきやすく蒸れやすい環境であることも、症状を悪化させる要因となります。

ワキのボコボコは、エクリン腺の影響もうけやすい部位です。 汗腺が発達している人は、もともと肌表面に凹凸があることが多く、脱毛後にその凹凸が目立つようになることがあります。 しかし、脱毛をくりかえすことで毛穴がひきしまり、徐々に肌がなめらかになっていくことが期待できます。

ワキ脱毛後のケアとして、以下のポイントに注意しましょう。

• 制汗剤の使用を一時的にひかえる
• 汗をかいたらこまめにふきとる
• 通気性のよい服装をえらぶ
• かきむしらないよう注意する
• 保湿剤でしっかりケアする

ワキのかゆみがつよい場合は、冷やすことで症状をやわらげることができます。 また、かゆみ止めのクリームを使用することも効果的ですが、ステロイドを含むものは医師の指示にしたがって使用しましょう。 適切なケアをおこなうことで、ワキのボコボコやかゆみは改善していきます。

その他の部位別症状の違い

医療脱毛後のボツボツは、体の部位によってあらわれかたや症状がことなります。 腕や脚などの四肢では、比較的症状が軽くすむことが多いです。 一方で、背中や胸などの皮脂腺が多い部位では、毛嚢炎が発生しやすい傾向があります。

首の後ろや太ももの内側など、摩擦をうけやすい部位では、赤みやかゆみが長引くことがあります。 これらの部位は、衣服との摩擦や体の動きによる刺激をうけやすいためです。 また、男性の場合は、ひげ脱毛後に頬やあご周辺で毛嚢炎が発生しやすいという特徴があります。

部位 発生しやすい症状 回復期間の目安
腕・脚 軽度の赤み 2〜3日
背中・胸 毛嚢炎 1週間程度
お腹・腰 乾燥・かゆみ 3〜5日

 

それぞれの部位の特徴をりかいして、適切なケアをおこなうことが大切です。 どの部位であっても、基本的なケアは保湿と清潔をたもつことです。 症状が長引く場合や、悪化する場合は、すみやかにクリニックに相談しましょう。

医療脱毛によるボツボツの原因と副作用

レーザーや光の熱による炎症反応

医療脱毛でつかわれるレーザーや光は、毛の黒い色素(メラニン)に反応して熱エネルギーにかわります。 この熱によって毛根の発毛組織が破壊されることで、永久脱毛の効果がえられるのです。 しかし、この熱は毛根だけでなく、周囲の皮膚組織にも影響をあたえることがあります。

レーザー照射による炎症反応は、正常な生体反応のひとつです。 熱によってダメージをうけた組織を修復するために、血管が拡張し、免疫細胞が集まってきます。 これによって、赤みや腫れ、熱感などの症状があらわれるのです。

炎症反応の程度は、以下の要因によって左右されます。

• レーザーの出力設定
• 毛の太さや密度
• 肌の色素量
• 施術前の肌状態
• 個人の体質や肌質

とくに2回目や3回目の施術では、初回よりも出力をあげることが多いため、炎症反応も強くでやすくなります。 これは、より効果的な脱毛をめざすための調整ですが、肌への負担も大きくなるということです。 施術前にしっかりと肌をととのえ、施術後は適切なケアをおこなうことが重要になります。

肌の乾燥によるトラブル

医療脱毛後の肌は、極度に乾燥しやすい状態になっています。 レーザーの熱によって肌内部の水分が蒸発し、さらにバリア機能が一時的に低下することで、水分が失われやすくなるのです。 この乾燥が、かゆみやボツボツなどの肌トラブルの原因となります。

肌が乾燥すると、外部からの刺激に対して敏感になります。 普段は問題ない化粧品や衣服の摩擦でも、刺激となってかゆみや赤みをひきおこすことがあります。 また、乾燥した肌は、ターンオーバーが乱れやすく、角質がたまりやすい状態にもなります。

乾燥の段階 症状 対処法
軽度 つっぱり感 化粧水・乳液での保湿
中度 粉ふき・かゆみ 高保湿クリーム使用
重度 ひび割れ・痛み 医師の診察が必要

 

乾燥対策としては、施術直後からこまめな保湿をこころがけることが大切です。 化粧水で水分をおぎない、乳液やクリームで蓋をするという基本的なケアを、朝晩かかさずおこないましょう。 とくに入浴後は、肌が濡れているうちに保湿剤をぬることで、効果的に水分をとじこめることができます。

新たな毛が生える際の刺激

医療脱毛は、毛周期のなかの成長期の毛にのみ効果を発揮します。 成長期の毛は全体の約20%程度であるため、施術時に退行期や休止期だった毛は、のちに新たに生えてきます。 この新しい毛が皮膚をつきやぶって生えてくるときに、刺激となってかゆみやボツボツの原因となることがあります。

とくにVIOや男性のひげなど、毛が太くて濃い部位では、この刺激が強くかんじられます。 新しい毛が生えてくるときに、毛穴周辺が赤くなったり、かゆみをかんじたりすることがあるのです。 これは一時的な症状であり、毛が伸びてくれば自然におさまっていきます。

新たな毛による刺激を軽減するために、以下の対策が有効です。

• 肌を清潔にたもち、毛穴のつまりを防ぐ
• 適度な保湿で肌をやわらかくたもつ
• かきむしらないよう注意する
• ゆるめの衣服をえらぶ
• 定期的な脱毛で毛を細くしていく

医療脱毛をくりかえすことで、毛は徐々に細く、やわらかくなっていきます。 そのため、回数をかさねるごとに、新しい毛による刺激も軽減されていくことが期待できます。 根気よく施術をつづけることが、最終的にはボツボツのない美しい肌への近道となるでしょう。

火傷(やけど)のリスク

医療脱毛における火傷は、もっとも注意すべき副作用のひとつです。 レーザーは毛根に熱をあたえて破壊するしくみであるため、適切な出力設定や冷却がおこなわれないと、皮膚表面にやけどを負ってしまうリスクがあります。 とくに日焼けした肌や、色素沈着がある部位では、リスクが高まります。

火傷の症状は、軽度から重度までさまざまです。 軽度の場合は、赤みやひりひりとした痛みがあらわれます。 中等度になると、水ぶくれができたり、皮がむけたりすることがあります。

火傷の程度 症状 処置
Ⅰ度 赤み・痛み 冷却・保湿
Ⅱ度浅層 水ぶくれ 医師の診察必要
Ⅱ度深層 白く変色 緊急処置必要

 

火傷を予防するためには、信頼できるクリニックをえらび、経験豊富な施術者に任せることが大切です。 また、施術前には肌の状態を正直につたえ、日焼けや肌トラブルがある場合は施術を延期する勇気も必要です。 万が一、火傷の症状があらわれた場合は、すぐにクリニックに連絡し、適切な処置をうけましょう。

アレルギー反応の可能性

医療脱毛後にあらわれるボツボツのなかには、アレルギー反応によるものもあります。 施術後6〜72時間以内に毛孔に一致した赤い隆起があらわれ、強いかゆみをともなう場合は、アレルギーの可能性をうたがいます。 これは、レーザーの熱や使用するジェル、冷却材などに対する過敏反応としておこります。

アレルギー反応の特徴として、以下のような症状があげられます。

• 毛穴に一致した赤い丘疹
• 強いかゆみや灼熱感
• じんましんのような症状
• 時間とともに範囲が広がる
• 抗ヒスタミン薬で改善する

アレルギー体質のかたや、アトピー性皮膚炎の既往があるかたは、とくに注意が必要です。 初回の施術では問題なくても、2回目以降で症状があらわれることもあります。 施術前のカウンセリングで、アレルギー歴についてしっかりとつたえることが大切です。

アレルギー反応があらわれた場合は、まず患部を冷やして炎症をおさえます。 そして、すみやかにクリニックに連絡し、医師の診察をうけましょう。 抗ヒスタミン薬の内服や、ステロイド外用薬の使用が必要になることがあります。

ボツボツを改善する5つの対処法

適切な保湿ケアの方法

医療脱毛後のボツボツを改善するうえで、もっとも重要なのが適切な保湿ケアです。 施術によってダメージをうけた肌は、バリア機能が低下し、水分が失われやすい状態になっています。 十分な保湿をおこなうことで、肌の回復をうながし、ボツボツなどのトラブルを軽減することができます。

保湿ケアは、施術直後からはじめることが大切です。 まず、化粧水でたっぷりと水分をおぎない、そのあとに乳液やクリームで蓋をします。 このとき、肌にやさしくなじませるようにして、こすったりたたいたりしないよう注意しましょう。

効果的な保湿ケアのポイントとして、以下のことがあげられます。

• 低刺激性の保湿剤をえらぶ
• セラミドやヒアルロン酸配合のものを使用する
• 朝晩2回以上の保湿をおこなう
• 入浴後5分以内に保湿する
• VIOなどデリケートな部位は専用品を使う

保湿剤をえらぶときは、アルコールフリーで無香料のものがおすすめです。 とくに施術直後の敏感な肌には、刺激の少ないものを使用しましょう。 また、部位によって保湿剤をかえることも効果的で、顔には軽めのもの、体には高保湿タイプと使い分けることができます。

患部を冷やす正しい方法

施術後の赤みやボツボツには、冷却が効果的です。 冷やすことで血管が収縮し、炎症反応をおさえることができます。 また、かゆみや痛みなどの不快な症状も軽減されるため、施術直後のケアとしてかかせません。

冷却をおこなうときは、直接氷をあてるのではなく、タオルにつつんだ保冷剤を使用しましょう。 1回10〜15分程度を目安に、1日数回おこなうのが理想的です。 ただし、冷やしすぎると血行不良をまねき、かえって回復をおくらせることがあるため注意が必要です。

冷却方法 適応 注意点
保冷剤 局所的な赤み タオルで包む
冷タオル 広範囲の症状 こまめに交換
冷水シャワー 全身の熱感 短時間にとどめる

 

冷却とあわせて、炎症をおさえるローションなどを使用するのも効果的です。 カラミンローションやアロエベラ配合のジェルなどは、冷却効果と保湿効果をかねそなえています。 症状にあわせて適切な冷却方法をえらび、肌の回復をサポートしましょう。

皮膚を清潔に保つポイント

医療脱毛後の肌は、バリア機能が低下しているため、細菌感染のリスクが高まっています。 皮膚を清潔にたもつことは、毛嚢炎などの二次感染を防ぐうえでとても重要です。 ただし、過度な洗浄は肌に負担をかけるため、適切な方法でおこなう必要があります。

清潔をたもつための基本として、以下のポイントをまもりましょう。

• ぬるま湯でやさしく洗う
• 低刺激性の洗浄剤を使用する
• タオルでこすらず押さえるようにふく
• 清潔なタオルを使用する
• 汗をかいたらこまめにふきとる

とくに注意したいのが、入浴時の洗いかたです。 ボディタオルなどでごしごしこするのは避け、手でやさしく洗うようにしましょう。 石鹸は低刺激性のものをえらび、よく泡立てて使用します。

また、施術部位にふれる衣服や寝具も清潔にたもつことが大切です。 下着は毎日交換し、シーツや枕カバーもこまめに洗濯しましょう。 とくに夏場は汗をかきやすいため、より注意が必要になります。

毛嚢炎を潰さない・触らないことの重要性

医療脱毛後にできる白いブツブツ(毛嚢炎)は、つい潰したくなってしまいますが、絶対に触らないことが大切です。 毛嚢炎を潰すと、中の膿が周囲に広がり、炎症を悪化させる可能性があります。 また、色素沈着や瘢痕(はんこん)などの跡がのこるリスクも高まります。

毛嚢炎を触らないために、以下の対策をこころがけましょう。

• 鏡をみすぎない
• 手で顔や体を触るくせをなおす
• かゆいときは冷やす
• 爪を短くきっておく
• 就寝時は手袋をつける(無意識にかくのを防ぐ)

毛嚢炎は、適切なケアをおこなえば1週間程度で自然に治癒します。 白い膿がみえていても、時間とともに体内に吸収されるか、自然に排出されます。 無理に潰すことで治癒がおくれたり、新たなトラブルをまねいたりすることがあるため、我慢することが大切です。

行為 リスク 正しい対処
潰す 炎症拡大・瘢痕形成 自然治癒を待つ
かきむしる 二次感染・色素沈着 冷却・保湿
頻繁に触る 細菌感染 手を清潔に保つ

 

どうしても気になる場合は、クリニックに相談して適切な処置をうけましょう。 医師の判断によっては、抗菌薬の処方や、専門的な処置がおこなわれることがあります。 自己判断での処置は避け、専門家のアドバイスにしたがうことが重要です。

症状別の適切な薬とクリームの使用

医療脱毛後のボツボツには、症状にあわせた薬やクリームの使用が効果的です。 ただし、自己判断での使用は避け、必要に応じて医師や薬剤師に相談することが大切です。 とくにステロイド薬は、使用方法をまちがえると副作用のリスクがあるため注意が必要です。

症状別の薬剤選択の目安として、以下のようなものがあります。 赤みや炎症には、ステロイド外用薬が効果的ですが、使用は2日程度を上限とします。 かゆみには、抗ヒスタミン薬の内服や外用が有効です。 毛嚢炎には、抗菌薬の外用が処方されることがあります。

薬剤を使用するときの注意点をまとめると、以下のようになります。

• 医師の指示どおりに使用する
• 使用期間をまもる
• 広範囲への使用は避ける
• 症状が悪化したら使用を中止する
• ほかの薬との併用は医師に相談する

市販薬を使用する場合は、低刺激性のものをえらびましょう。 オロナイン軟膏などの家庭常備薬も、軽度の症状には使用できますが、改善しない場合は医療機関を受診してください。 症状にあわせた適切な薬剤選択により、ボツボツの改善をはやめることができます。

ボツボツや赤みが治るまでの目安期間

毛穴だけが赤い場合の回復期間

医療脱毛後に毛穴だけがポツポツと赤くなっている場合は、比較的軽度の反応といえます。 この症状は、レーザーの熱が毛根にのみ集中し、周囲の皮膚へのダメージが最小限におさえられている状態です。 一般的に、このような軽度の赤みは3日前後で自然に消失していきます。

毛穴の赤みは、時間の経過とともに以下のような変化をみせます。 施術当日は、毛穴が赤く目立つ状態です。 翌日には、赤みがややうすくなりはじめます。 2〜3日後には、ほとんど目立たなくなります。

経過時間 症状の変化 ケア方法
0〜24時間 毛穴が赤く目立つ 冷却・保湿
24〜48時間 赤みが薄くなる 保湿継続
48〜72時間 ほぼ消失 通常のケア

 

毛穴だけの赤みは、適切なケアをおこなうことで、より早く改善することができます。 冷却と保湿を中心としたケアをつづけ、刺激をあたえないようにすることが大切です。 メイクをする場合は、毛穴をふさがない軽めのものをえらびましょう。

部位全体が赤くなっている場合の経過

レーザーを照射した部位全体が赤くなっている場合は、より広範囲に熱の影響がおよんでいる状態です。 この症状は、毛根だけでなく周囲の皮膚組織にも熱がつたわり、炎症反応がおきていることをしめしています。 回復には1〜2週間程度かかることが一般的です。

部位全体の赤みは、以下のような経過をたどります。

• 施術直後〜3日:赤みが最も強い時期
• 4〜7日:徐々に赤みが薄くなる
• 8〜10日:部分的に正常な肌色に戻る
• 11〜14日:ほぼ完全に回復

この期間中は、肌が敏感な状態がつづくため、いつも以上に丁寧なケアが必要です。 とくに紫外線には注意が必要で、日焼け止めの使用や、物理的な遮光をこころがけましょう。 また、熱いお風呂や激しい運動など、体温をあげる行為は避けることが大切です。

部位全体の赤みがある場合、炎症をおさえるためにステロイド外用薬が処方されることもあります。 ただし、使用は医師の指示にしたがい、2日程度を上限とすることが重要です。 長期使用は、かえって肌トラブルをまねく可能性があります。

心配な場合のクリニック受診のタイミング

医療脱毛後のボツボツや赤みは、多くの場合は自然に改善しますが、受診が必要なケースもあります。 以下のような症状があらわれた場合は、すみやかにクリニックに連絡しましょう。 早期の適切な処置により、症状の悪化を防ぐことができます。

受診をけんとうすべき症状として、以下のようなものがあげられます。

• 3日以上たっても症状が改善しない
• 赤みや腫れが悪化している
• 水ぶくれができた
• 強い痛みがつづく
• 発熱などの全身症状がある
• 膿をもったブツブツが増えている
• かゆみで日常生活に支障がある

とくに注意が必要なのは、アレルギー反応による症状です。 じんましんのような発疹が全身にひろがったり、呼吸困難などの症状があらわれたりした場合は、緊急受診が必要です。 また、感染の兆候がみられる場合も、早期の抗菌薬治療が必要になることがあります。

症状 緊急度 対応
軽度の赤み 経過観察
水ぶくれ 24時間以内に受診
全身症状 即座に受診

 

クリニックを受診する際は、症状の経過を正確につたえることが大切です。 いつから症状があらわれたか、どのように変化しているか、使用した薬があるかなどを記録しておきましょう。 適切な診断と治療により、症状の改善をはかることができます。

脱毛後のボツボツを予防する方法

施術当日の入浴制限と注意点

医療脱毛をうけた当日の入浴には、特別な注意が必要です。 施術によって毛穴に熱がこもっている状態で湯船につかると、体温が上昇し、炎症反応が強まる可能性があります。 そのため、施術当日は湯船につかることを避け、ぬるめのシャワーですませることが推奨されています。

施術当日の入浴に関する注意点として、以下のことをまもりましょう。

• 38度以下のぬるめのシャワーを使用する
• 石鹸やボディソープは低刺激性のものをえらぶ
• タオルでこすらず、やさしく水分をふきとる
• 長時間の入浴は避ける
• サウナや岩盤浴は控える

シャワーをあびる際も、施術部位に直接お湯をあてすぎないよう注意が必要です。 とくに顔の脱毛をうけた場合は、洗顔料の使用も控えめにし、ぬるま湯でやさしく洗い流す程度にとどめましょう。 また、入浴後はすぐに保湿をおこない、肌の乾燥を防ぐことが大切です。

施術翌日以降も、1週間程度は熱いお風呂は避けたほうがよいでしょう。 体をあたためすぎると血行がよくなり、赤みやかゆみが悪化することがあります。 温泉やプールなども、肌が完全に回復するまでは控えることをおすすめします。

肌への刺激を避ける生活習慣

医療脱毛後の肌は、とてもデリケートな状態になっています。 日常生活のなかで無意識におこなっている行動が、肌への刺激となってボツボツの原因になることがあります。 施術後は、いつも以上に肌をいたわる生活習慣をこころがけることが大切です。

肌への刺激を避けるために、以下のような点に注意しましょう。

• きつい衣服や下着は避ける
• 摩擦の少ない天然素材をえらぶ
• 激しい運動は1週間程度控える
• アルコールや辛い食べ物を控える
• 十分な睡眠をとる
• ストレスをためない

避けるべき行為 理由 代替案
激しい運動 発汗・摩擦増加 軽いウォーキング
飲酒 血行促進・炎症悪化 ノンアルコール飲料
マッサージ 物理的刺激 1週間後から再開

 

また、施術後の自己処理にも注意が必要です。 毛抜きでの処理は絶対に避け、どうしても必要な場合は電気シェーバーをやさしく使用しましょう。 カミソリは肌への負担が大きいため、肌が完全に回復するまでは使用を控えることをおすすめします。

紫外線対策の重要性

医療脱毛後の肌にとって、紫外線は大敵です。 バリア機能が低下している肌に紫外線があたると、炎症が悪化したり、色素沈着をおこしたりするリスクが高まります。 施術後は、いつも以上に徹底した紫外線対策が必要になります。

効果的な紫外線対策として、以下の方法を実践しましょう。

• SPF30以上の日焼け止めを使用する
• 2〜3時間ごとに塗りなおす
• 帽子や日傘を活用する
• UVカット機能のある衣服をきる
• 日中の外出を控える

日焼け止めをえらぶときは、肌にやさしい成分のものをえらびましょう。 紫外線吸収剤よりも、紫外線散乱剤を使用したものがおすすめです。 また、ウォータープルーフタイプは肌への負担が大きいため、施術直後は避けたほうがよいでしょう。

顔の脱毛をうけた場合は、とくに注意が必要です。 日焼け止めにくわえて、サングラスや帽子で物理的に紫外線をカットしましょう。 紫外線対策は、施術後最低でも2週間はつづけることが大切です。

体調管理による肌トラブル予防

医療脱毛後の肌トラブルを予防するうえで、体調管理はとても重要な要素です。 体調がすぐれないときは、免疫力が低下し、肌のバリア機能も弱まります。 規則正しい生活をおくることで、肌の回復力を高め、ボツボツなどのトラブルを防ぐことができます。

体調管理のポイントとして、以下のことを実践しましょう。

• 7〜8時間の十分な睡眠をとる
• バランスのよい食事をこころがける
• ビタミンCやEを積極的にとる
• 水分を1日1.5〜2リットル摂取する
• 適度な運動で代謝をあげる
• ストレス解消法をみつける

とくに睡眠は、肌のターンオーバーをととのえるうえで欠かせません。 成長ホルモンが分泌される22時から2時のあいだは、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。 また、野菜や果物からビタミンを摂取することで、肌の修復をサポートすることができます。

栄養素 効果 含まれる食品
ビタミンC コラーゲン生成 柑橘類・ピーマン
ビタミンE 抗酸化作用 アーモンド・アボカド
亜鉛 肌の修復 牡蠣・レバー

 

ストレスも肌に大きな影響をあたえるため、リラックスできる時間をもつことが大切です。 ヨガや瞑想、アロマテラピーなど、自分にあったストレス解消法をみつけましょう。 心身ともに健康な状態をたもつことが、美しい肌への近道となります。

クリニック選びのポイント

医療脱毛後のボツボツを予防するためには、信頼できるクリニックをえらぶことが何より重要です。 経験豊富な医師やスタッフがいるクリニックであれば、一人ひとりの肌質にあわせた適切な施術がうけられます。 また、万が一トラブルがおきた場合の対応も安心できます。

よいクリニックをえらぶポイントとして、以下の点をチェックしましょう。

• 医師による診察があるか
• カウンセリングが丁寧か
• アフターケアが充実しているか
• 再診料や薬代が無料か
• 実績や症例数が豊富か
• 最新の機器を導入しているか

とくに注目したいのが、アフターケアの充実度です。 肌トラブルがおきたときに、すぐに対応してもらえる体制がととのっているかどうかは重要なポイントです。 再診料や薬代が無料のクリニックであれば、気軽に相談できるため安心です。

また、使用している脱毛機器の種類も確認しましょう。 最新の機器は、冷却機能が充実していたり、肌への負担が少なくなるよう工夫されていたりします。 複数の機器を使い分けているクリニックであれば、肌質や部位にあわせた最適な施術がうけられます。

カウンセリングの際は、不安なことや疑問点をすべて質問しましょう。 誠実に対応してくれるクリニックであれば、安心して施術をうけることができます。 価格だけでなく、総合的な観点からクリニックをえらぶことが、トラブル予防につながります。

まとめ

医療脱毛後のボツボツは、多くのかたが経験する一時的な症状です。 レーザーの熱による炎症反応や、肌の乾燥、毛嚢炎などが主な原因となっています。 適切な保湿ケアと冷却、そして肌を清潔にたもつことで、ほとんどの症状は数日から2週間程度で改善していきます。

とくに重要なのは、施術直後からの丁寧なケアです。 保湿を十分におこない、刺激をあたえないようにし、紫外線対策を徹底することで、ボツボツの発生を最小限におさえることができます。 また、体調管理をしっかりとおこない、規則正しい生活をおくることも、肌トラブルの予防につながります。

VIOや顔、ワキなど、部位によってボツボツのでかたや対処法がことなることも覚えておきましょう。 それぞれの部位の特徴をりかいして、適切なケアをおこなうことが大切です。 症状が長引いたり、悪化したりする場合は、ためらわずにクリニックに相談してください。

医療脱毛は、正しい知識と適切なケアがあれば、安全に美しい肌をめざすことができる施術です。 この記事でご紹介した対処法を実践して、トラブルのないスムーズな脱毛ライフをおくりましょう。 つるつるの美しい肌は、あなたの努力と正しいケアによってかならず手にいれることができるはずです。

監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。