GLP-1ダイエットは、注射や飲み薬を使って食欲を抑え、自然に体重を減らすことができる画期的な方法です。

その中でも特に人気なのが、サクセンダとビクトーザという2種類のGLP-1製剤です。

どちらも同じ有効成分のリラグルチドを使用していますが、開発された目的が異なるため、効果の強さや副作用のリスクに違いがあります。

そのため、自分に合ったGLP-1製剤を選ぶことがダイエット成功のカギとなるでしょう。

しかし、日本ではサクセンダがまだ未承認であるなど、GLP-1ダイエットについてはまだ知られていない部分も多いのが現状です。

そこで本記事では、サクセンダとビクトーザの特徴を詳しく解説し、それぞれのおすすめの人についてもご紹介します。

また、GLP-1ダイエット薬の正しい使い方や、料金の相場についても触れていきます。

GLP-1ダイエットを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。

 

 

サクセンダとビクトーザの特徴

有効成分と薬の種類

サクセンダとビクトーザは、どちらもデンマークのノボ ノルディスク社が開発したGLP-1製剤です。

両者の有効成分は「リラグルチド」と呼ばれる物質で、もともと人間の体内にあるホルモンを模倣して作られた医薬品です。

GLP-1は、食後に腸管から分泌されるホルモンの一種で、インスリンの分泌を促進したり、食欲を抑制したりする働きがあります。

リラグルチドはこのGLP-1の働きを利用して、食欲の抑制とインスリン分泌の促進による血糖コントロールを助ける効果が期待できる薬だといえます。

サクセンダは皮下注射製剤、ビクトーザはペン型注入器を用いる注射薬で、どちらも医療従事者の指導のもと自己注射を行います。

効果の強さと作用時間

サクセンダとビクトーザは有効成分が同じリラグルチドですが、ダイエット効果の強さには違いがあります。

サクセンダは1回の注射量が0.6mgから最大3.0mgと幅広く、より高用量を使用できるため、強い食欲抑制効果が期待できます。

一方、ビクトーザは1回0.3mgから最大1.8mgまでと、サクセンダと比べると用量の幅が小さくなっています。

これは、ビクトーザが2型糖尿病の治療薬として開発された経緯があり、主な目的が血糖コントロールであるためです。

そのため、ダイエットを目的とした場合、ビクトーザはサクセンダほどの効果は得られないかもしれません

また、サクセンダもビクトーザも1日1回の注射ですが、サクセンダの方が体内での作用時間が長いことが分かっています

これによりサクセンダは、注射後長時間にわたって安定した食欲抑制効果を発揮することができるのです。

副作用のリスク

GLP-1製剤の主な副作用として、注射部位の疼痛や硬結、悪心、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が挙げられます。

全身症状としては、頭痛、めまい、ほてり、動悸などがあります。

重大な副作用としては、急性膵炎、腎障害、脱水などが報告されていますが、頻度はまれです。

サクセンダとビクトーザを比較すると、サクセンダの方が高用量を使用するため、副作用の発現率がやや高くなる傾向があります。

特に消化器症状は用量依存的に現れやすいといわれています。

ただし、これらの副作用の多くは投与開始後に一時的に現れるもので、時間の経過とともに軽減することが多いです。

副作用の程度には個人差が大きいことも知っておきましょう。

以上のように、サクセンダとビクトーザにはダイエット効果と副作用のリスクにおいて違いがみられます。

自分の体質や目標に合わせて、医師とよく相談しながら使い分けていくことが大切です。

サクセンダとビクトーザのおすすめの人

サクセンダに向いている人

サクセンダは、より強力なダイエット効果を求める人におすすめです。

サクセンダは高用量を使用できるため、強い食欲抑制効果が期待できます。

そのため、過食や間食が多い人、食事制限が難しい人などにとって有効な選択肢となるでしょう。

また、サクセンダは作用時間が長いため、1日を通して安定した食欲抑制効果を得られるのも大きな特徴です。

食べる量を減らすことで、着実に体重を落としていきたい人にはサクセンダがおすすめです。

ただし、副作用のリスクが比較的高いことには注意が必要です。

特に、消化器症状に敏感な人や、重大な基礎疾患がある人は、慎重に検討する必要があるでしょう。

ビクトーザに向いている人

一方、ビクトーザは緩やかなダイエット効果を求める人に適しています

ビクトーザは、もともと2型糖尿病の治療薬として開発された経緯があるため、血糖コントロールを主な目的としています。

そのため、ダイエット効果はサクセンダほど強くありませんが、副作用のリスクは比較的低いといえます。

体重の減量よりも、血糖値の改善を優先したい人や、副作用が心配な人にとって、ビクトーザは良い選択肢となるでしょう。

また、ビクトーザは低用量から始められるため、身体への負担を抑えながら徐々に効果を実感していきたい人にもおすすめです。

ゆっくりと体重を落としていきたい人や、初めてGLP-1製剤を使う人には、ビクトーザが適しているといえるでしょう。

医師に相談して選ぶのがベスト

サクセンダとビクトーザのどちらを選ぶべきかは、人によって異なります。

自分に合ったGLP-1製剤を選ぶためには、医師に相談することが何より大切です。

医師は、患者の体質や健康状態、ダイエットの目標などを総合的に判断し、最適な薬を提案してくれます。

また、GLP-1製剤を使う際は、適切な用量や使用方法を守ることが重要です。

副作用が現れた場合の対処法についても、医師から十分な説明を受けておく必要があります。

自己判断で薬を選んだり、用量を変更したりすることは危険です。

必ず医師の指示に従い、定期的に経過を報告するようにしましょう。

GLP-1製剤は効果的なダイエット治療薬ですが、正しく使用することが何より大切です。

医師とよく相談しながら、自分に合ったGLP-1製剤を見つけていきましょう。

サクセンダが日本で未承認の理由

海外と日本の承認状況の違い

サクセンダは、2014年にアメリカのFDA(食品医薬品局)で肥満症治療薬として承認されました。

現在、欧米を中心に世界90カ国以上で承認されており、肥満症患者に広く使用されています。

一方、日本ではサクセンダはまだ承認されておらず、肥満症に対する適応がありません。

この承認状況の違いには、日本と欧米での肥満症に対する考え方の差が関係していると考えられます。

欧米では肥満症は疾患として捉えられており、積極的な治療の対象となっています。

それに対し日本では、肥満症はあくまで生活習慣の問題とされることが多く、薬物療法の必要性についての認識が低いのが現状です。

また、日本人は欧米人と比べて肥満度が低いことも、サクセンダの承認が遅れている理由の一つと考えられます。

日本肥満学会の診断基準によると、肥満症の判定にはBMI 30以上が目安とされています。

しかし、日本人のBMI 30以上の割合は4%程度で、欧米と比べるとかなり低いのです。

このように、日本ではサクセンダの承認に必要な肥満症患者数が限られており、治験の実施が難しいことが、承認の遅れにつながっていると考えられます。

日本での承認に向けた動き

近年、日本でも肥満症に対する認識が高まりつつあり、サクセンダの承認に向けた動きが活発化しています。

2018年には、ノボ ノルディスク社が日本でのサクセンダの承認申請を行いました。

この申請では、日本人の肥満症患者を対象とした臨床試験のデータが提出されており、日本人における有効性と安全性が確認されています。

また、2021年には、日本肥満学会が「肥満症診療ガイドライン2022」を発表し、GLP-1受容体作動薬の使用を推奨しています。

このガイドラインでは、肥満症の治療において、生活習慣の改善と並んで薬物療法の重要性が示されました。

特に、サクセンダを含むGLP-1受容体作動薬は、安全性が高く、確実な体重減少効果が期待できる薬剤として位置づけられています。

こうした動きを受けて、日本でもサクセンダの承認が近いと期待されています。

承認されれば、日本の肥満症患者にとって新たな治療選択肢が増えることになるでしょう。

ただし、サクセンダは高額な薬剤であり、保険適用の範囲や自己負担額など、アクセスの問題については課題が残ります

今後、肥満症治療における薬物療法の位置づけを明確にし、患者が利用しやすい環境を整備していくことが求められます。

サクセンダの日本での承認は、肥満症治療の発展にとって大きな一歩となるはずです。

承認に向けた動きを注視しつつ、肥満症に対する社会的な理解を深めていくことが何より大切だといえるでしょう。

GLP-1ダイエット薬の正しい使い方

用法・用量を守る

GLP-1ダイエット薬を使用する際に最も重要なのは、医師の指示に従って正しい用法・用量を守ることです。

GLP-1受容体作動薬は、自己注射または経口薬として投与されます。

注射薬の場合、1日1回または週1回の投与が一般的です。

経口薬の場合は、1日1回の服用が基本となります。

いずれの場合も、医師が指示した用量を守り、決められた時間に投与することが大切です。

用量を増やしたり、投与間隔を短くしたりすることで効果が高まるわけではありません。

逆に、副作用のリスクが高まることがあるため、自己判断での用量調節は厳禁です。

また、体調の変化や他の薬との併用など、気になることがあれば医師に相談しましょう。

GLP-1ダイエット薬は、正しく使用することで初めて効果を発揮します。

用法・用量を守り、医師とのコミュニケーションを大切にすることが何より重要だといえます。

飲み忘れ・使い忘れ時の対処法

GLP-1ダイエット薬を飲み忘れたり、注射を忘れたりしてしまった場合の対処法は、薬の種類や次の服用・注射までの時間によって異なります。

基本的には、できるだけ早く気づいた時点で服用または注射を行うことが望ましいのですが、タイミングによっては別の対応が必要となります。

以下に、代表的なGLP-1ダイエット薬について、飲み忘れ・使い忘れ時の対処法を紹介します。

次の服用・注射までの時間による対応

【経口薬(リベルサス)】

  • 次の服用まで4時間以上ある場合:気づいた時点ですぐに服用する。
  • 次の服用まで4時間未満の場合:飲み忘れた分は服用せず、次の予定通りに服用する。

【1日1回投与の注射薬(ビクトーザ、サクセンダ)】

  • 次の注射まで8時間以上ある場合:気づいた時点ですぐに注射する。
  • 次の注射まで8時間未満の場合:忘れた分は注射せず、次の予定通りに注射する。

【週1回投与の注射薬(オゼンピック)】

  • 次の注射まで3日以上ある場合:気づいた時点ですぐに注射する。
  • 次の注射まで3日未満の場合:忘れた分は注射せず、次の予定通りに注射する。

これらはあくまで目安であり、個人差や病態によって対応が異なる場合があります

医師の指示に従うことを大前提に、疑問があれば必ず確認するようにしましょう。

数日間使用しなかった場合

GLP-1ダイエット薬を数日間使用しなかった場合、再開時には低用量から始める必要があることがあります。

これは、副作用のリスクを最小限に抑えるための措置です。

特に、注射薬の場合は注意が必要です。

例えば、サクセンダを3日以上使用しなかった場合は、0.6mgから投与を再開し、その後は段階的に増量します。

ビクトーザの場合は、1日以上使用しなかった場合に0.3mgから再開することが推奨されています。

一方、経口薬のリベルサスは、1週間以上服用しなかった場合でも、通常の用量から再開することができます。

ただし、いずれの場合も必ず医師に相談し、指示を仰ぐことが大切です。

自己判断で用量を調節することは避け、安全性を最優先に考えましょう。

他のGLP-1薬への切り替え方

GLP-1ダイエット薬は、種類によって特性が異なります。

そのため、効果不十分や副作用などの理由で、他のGLP-1薬に切り替えたいと考える人もいるでしょう。

しかし、GLP-1薬の切り替えは自己判断で行うべきではありません。

必ず医師に相談し、適切な方法で切り替えを行うことが重要です。

GLP-1薬を切り替える際には、休薬期間を設けることが一般的です。

これは、前の薬の影響を排除し、新しい薬の効果や副作用を正確に評価するためです。

休薬期間の長さは、薬の種類や個人の状態によって異なります。

通常、1週間から4週間程度が目安とされています。

また、新しい薬を開始する際は、低用量から始めて段階的に増量することが多いです。

これは、副作用のリスクを最小限に抑えるとともに、患者の反応を見ながら最適な用量を決定するためです。

GLP-1薬の切り替えは、医師との綿密なコミュニケーションのもとで行うことが何より大切です。

効果や副作用について詳しく説明し、不安や疑問を解消しながら、安全かつ効果的な治療を目指しましょう。

GLP-1ダイエットの料金相場

GLP-1ダイエットは自由診療で行われるため、料金は医療機関によって異なります

ここでは、代表的なGLP-1ダイエット薬の料金相場について紹介します。

GLP-1ダイエットの費用は、薬代、診察料、検査費用などを含むため、総額としてはかなりの出費となることを覚悟しておく必要があります。

ただし、確実な効果が期待できることを考えれば、投資に値する治療法だといえるでしょう。

GLP-1ダイエットを検討する際は、費用対効果を見極めながら、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。

注射薬の料金例

GLP-1受容体作動薬の注射薬は、自己注射で投与することが一般的です。

以下に、代表的な注射薬の料金例を示します。

【オゼンピック】1本(2.4mg、4回分):約6万円

【サクセンダ】1本(6mg、15回分):約2万5千円~3万円

【ビクトーザ】1本(18mg、30回分):約2万5千円~3万円

これらの料金は、薬代のみを示したものです。

診察料や検査費用などを含めると、さらに費用がかかることになります。

また、1回の注射で使用する薬量は個人差が大きいため、必要な本数は人によって異なります。

治療期間やダイエット目標に応じて、トータルの費用を見積もることが大切だといえます。

経口薬の料金例

GLP-1受容体作動薬の経口薬は、注射薬と比べると費用が抑えられる傾向にあります。

以下に、代表的な経口薬の料金例を示します。

【リベルサス】

  • 3mg(30錠):約1万5千円
  • 7mg(30錠):約3万円
  • 14mg(30錠):約5万円

リベルサスの場合、用量によって薬代が大きく異なることが特徴です。

ただし、経口薬は1日1回の服用が基本となるため、1ヶ月分の薬代を見込んでおく必要があります

また、効果を実感するまでには数ヶ月かかることが多いため、長期的な費用対効果を考える必要があります。

薬代・診察料・郵送料

GLP-1ダイエットの総費用を考える上で、薬代以外にも診察料や郵送料などを含める必要があります

診察料は、初診料と再診料に分けられます

初診料は1万円前後、再診料は5千円前後が相場だといえます。

ただし、これらは医療機関によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

また、GLP-1ダイエット薬は、医療機関から宅配便で届けられることが一般的です。

その際、郵送料が別途かかります

注射薬の場合、冷蔵での配送が必要となるため、郵送料は高めに設定されています

リベルサスなどの経口薬は、常温での配送が可能なため、注射薬よりも郵送料が抑えられる傾向にあります。

GLP-1ダイエットの料金は、これらの要素を総合的に判断する必要があります。

自分の予算と相談しながら、最適なプランを選択することが何より大切だといえるでしょう。

医療ダイエットは専門のライトクリニックにご相談ください

GLP-1ダイエットを始めるなら、専門のクリニックに相談することが何より大切です。

その理由は、GLP-1ダイエットが高度な医療行為を伴う治療法だからです。

GLP-1製剤は、注射や経口薬という形で投与されます。

これらの薬剤は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品であり、正しい使用法や副作用への対応など、専門的な知識が必要となります。

また、GLP-1ダイエットを効果的に進めるためには、患者一人ひとりの体質や健康状態に合わせた治療計画が不可欠です。

単に薬を処方するだけでなく、生活習慣の改善や運動療法など、総合的なアプローチが求められます

こうした専門的な治療を行うためには、GLP-1ダイエットに精通した医師や医療スタッフの存在が欠かせません。

ライトクリニックは、大阪・名古屋・新宿に拠点を置く医療ダイエットの専門クリニックです。

GLP-1ダイエットをはじめとする様々な医療ダイエットに対応しており、豊富な治療実績を誇ります。

ライトクリニックでは、まず無料のカウンセリングを行います。

患者様の悩みやご要望をじっくりとお伺いし、最適な治療法を提案いたします。

遺伝子検査やInBody測定などの各種検査も無料で行っており、科学的なデータに基づいたダイエットプランを作成することができます。

また、ライトクリニックではオンライン診療にも対応しています。

来院が難しい方や、遠方にお住まいの方でも、専門医による丁寧なカウンセリングを受けることができます。

GLP-1ダイエットは、専門性の高い治療だからこそ、信頼できるクリニック選びが重要です。

ダイエットのプロフェッショナルであるライトクリニックなら、安心して理想の体型を目指すことができるでしょう。

GLP-1ダイエットを検討している方は、ぜひ一度ライトクリニックの無料カウンセリングを受けてみてください。

まとめ

GLP-1ダイエットは、食欲を抑える注射薬や飲み薬を用いて、自然に体重を減らしていく画期的な方法です。

特にサクセンダとビクトーザは、GLP-1ダイエットの代表的な薬剤として知られています。

両者は同じ有効成分のリラグルチドを使用していますが、開発目的や効果の強さ、副作用のリスクなどに違いがあります

自分に合ったGLP-1製剤を選ぶためには、医師による詳しい診断と説明が不可欠です。

また、GLP-1ダイエットを成功させるためには、正しい使用法を守ることが何より大切です。

用法・用量を守り、飲み忘れや使い忘れ時の対処法を理解しておくことが重要です。

GLP-1ダイエットの料金は、薬代や診察料などを含めるとかなりの出費となります。

しかし、確実な効果が期待できることを考えれば、投資に値する治療法だといえるでしょう。

GLP-1ダイエットは、専門性の高い治療だからこそ、信頼できるクリニック選びが重要です。

ライトクリニックは、大阪・名古屋・新宿に拠点を置く医療ダイエットの専門クリニックです。

無料カウンセリングや各種検査を通じて、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療法を提案いたします。

GLP-1ダイエットで理想の体型を目指すなら、ぜひライトクリニックにご相談ください

専門医によるサポートのもと、安心して医療ダイエットに取り組むことができるはずです。

GLP-1ダイエットは、従来のダイエット法とは一線を画す、革新的な痩身治療です。

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