監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。

「医療脱毛は痛すぎる」という声をよく耳にして、施術を受けるべきか迷っていませんか。 確かに医療脱毛には痛みがともないますが、その痛みは個人差があり、さらに適切な対策をとることで大幅に軽減することも可能です。 実際に施術を受けた多くの方が最後まで通い続けており、なかには「思っていたより痛くなかった」という声もあります。

本記事では、医療脱毛が痛いといわれる理由を科学的に解説し、痛みを感じやすい部位や肌状態、そして痛みを軽減する9つの具体的な方法をご紹介します。 医療脱毛の痛みに対する不安を解消し、安心して施術を受けるための情報をお届けします。

医療脱毛の痛みは本当に耐えられないのか

痛みの感じ方の個人差と実際の声

医療脱毛の痛みについて「痛すぎる」という声がある一方で、「思ったより痛くなかった」という意見も多く存在します。 この違いは、痛みの感じ方に大きな個人差があることが原因です。 同じ施術を受けても、ある人にとっては「輪ゴムで軽く弾かれる程度」であり、別の人にとっては「熱いムチで叩かれるような痛み」と感じることがあります。

実際に施術を受けた方々の声を見てみると、以下のような感想があります。

  • 20代女性:「VIOは他の部位と比べ物にならないくらい痛かったけど、照射範囲が狭いので何とか耐えられました」
  • 30代男性:「髭は細い針で刺されているような感覚でしたが、3回目くらいから痛みが和らいできました」
  • 20代男性:「痛いと聞いて怯えていましたが、痛いどころか気持ちいいくらいでした」

このように痛みの感じ方は人それぞれですが、重要なのは「ほぼ全員が最後まで施術を続けられている」という事実です。 あるクリニックの実績データによると、7,000人以上の患者のうち痛みが原因で施術を断念した方はわずか1名だったという報告もあります。 つまり、医療脱毛の痛みは確かに存在しますが、決して「耐えられないほど痛すぎる」ものではないということがわかります。

痛みの感じ方に影響する要因:

  • 個人の痛覚の感度
  • 肌の状態(乾燥度合い、日焼けの有無)
  • 体調(生理中、疲労度)
  • 精神的な緊張度
  • 施術部位の特徴

痛いほど効果があるという誤解について

「医療脱毛は痛いほど効果が高い」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは大きな誤解です。 痛みの強さと脱毛効果には直接的な因果関係はありません。 この誤解が生まれる理由は、脱毛方式による効果の現れ方の違いにあります。

たとえば、熱破壊式脱毛は確かに痛みを感じやすい傾向がありますが、それは高出力のレーザーを使用するためです。 一方、蓄熱式脱毛は低出力のレーザーを連続照射するため痛みは少なくなりますが、最終的な脱毛効果に大きな違いはありません。 ただし、効果が実感できるまでの期間に違いがあり、熱破壊式では数日から2週間で毛が抜け落ちるのに対し、蓄熱式では2週間から数週間かかります。

脱毛方式 痛みの程度 効果実感まで 最終的な効果
熱破壊式 感じやすい 数日~2週間 高い
蓄熱式 感じにくい 2週間~数週間 高い

 

また、痛みを感じない場合でも効果がないわけではありません。 適切な出力設定で照射されていれば、痛みが少なくても確実に毛根組織にダメージを与えることができます。 むしろ、過度な痛みは火傷のリスクを高める可能性があるため、痛すぎる場合は出力調整が必要になります。

多くの人が施術を続けられる理由

医療脱毛が「痛すぎる」といわれながらも、なぜ多くの人が最後まで施術を続けられるのでしょうか。 その理由は、痛みが永続的なものではなく、さまざまな要因により軽減されていくからです。 実際のデータでは、99.9%以上の方が痛みに耐えながら施術を完了しています。

まず、医療脱毛の痛みは回数を重ねるごとに軽減していきます。 初回が最も痛みを感じやすく、2回目、3回目と進むにつれて毛量が減少し、痛みも和らいでいきます。 たとえば、VIO脱毛では67%の方が1~5回目までに強い痛みを感じていますが、6回目以降も強い痛みを感じる方は22%まで減少します。

施術を続けられる主な理由:

  • 痛みは一時的で施術時間も短い(全身でも60~90分程度)
  • 回数を重ねるごとに痛みが減少する
  • 麻酔クリームなどの痛み対策が利用できる
  • 看護師の技術により痛みをコントロールできる
  • 脱毛効果を実感することでモチベーションが維持される

さらに、現在の医療脱毛では冷却機能付きの最新機器が導入されており、マイナス26度の冷却ガスで瞬間的に肌を冷やすことで痛みを大幅に軽減できます。 また、経験豊富な看護師による適切な出力調整や照射技術により、必要以上の痛みを避けることも可能です。 このような環境整備により、「痛すぎる」という不安を抱えている方でも、安心して施術を受けることができるようになっています。

医療脱毛が痛い仕組みと原因

レーザーが毛根に反応するメカニズム

医療脱毛で痛みが生じる根本的な理由は、レーザーが毛根のメラニン色素に反応して熱エネルギーを発生させるメカニズムにあります。 この熱エネルギーが毛根組織を破壊することで永久脱毛効果を得られますが、同時に周囲の神経を刺激して痛みとして感じられるのです。 具体的には、レーザー照射により毛根部分が瞬間的に200度以上の高温になり、この熱が痛覚神経を刺激します。

レーザーが照射されると、まず毛に含まれる黒色のメラニン色素がレーザー光を吸収します。 吸収されたレーザー光は熱エネルギーに変換され、毛根周辺の温度が急激に上昇します。 この熱により毛乳頭や毛母細胞などの発毛組織が破壊されますが、同時に周囲の痛覚神経も刺激を受けて「痛すぎる」と感じることがあります。

痛みが発生するプロセス:

  • レーザー光がメラニン色素に吸収される
  • 光エネルギーが熱エネルギーに変換される
  • 毛根部分が高温になる(200度以上)
  • 熱が周囲の組織に伝わる
  • 痛覚神経が刺激される
  • 脳が痛みとして認識する

また、痛みの強さは照射するレーザーの出力(ジュール数)によっても変わります。 高出力であればあるほど発生する熱量が増加し、痛みも強くなる傾向があります。 ただし、適切な冷却装置を使用することで、皮膚表面の温度上昇を抑えながら毛根部分にのみ効果的に熱を加えることができ、痛みを軽減することが可能です。

熱破壊式と蓄熱式の痛みの違い

医療脱毛には大きく分けて「熱破壊式」と「蓄熱式」という2つの方式があり、それぞれ痛みの感じ方が異なります。 この違いを理解することで、自分に適した脱毛方式を選択することができます。 一般的に、熱破壊式の方が痛みを感じやすく、蓄熱式の方が痛みが少ないといわれています。

熱破壊式脱毛の特徴

熱破壊式脱毛は、高出力のレーザーを瞬間的に照射して毛根組織を破壊する方式です。 一発のレーザー照射で毛乳頭や毛母細胞を直接破壊するため、瞬間的に強い熱が発生し、「バチッ」と弾かれるような鋭い痛みを感じることがあります。 特に毛が濃い部位では、メラニン色素が多いため反応が強く、痛みも増す傾向にあります。

熱破壊式の痛みは「輪ゴムで強く弾かれる感覚」や「熱い油がはねたような痛み」と表現されることが多いです。 ただし、痛みは瞬間的なもので、照射が終われば痛みはすぐに引いていきます。 また、最新の熱破壊式脱毛機には強力な冷却装置が搭載されており、照射前後に肌を冷やすことで痛みを軽減する工夫がされています。

熱破壊式の特徴まとめ:

  • 高出力レーザーを単発照射
  • 瞬間的で鋭い痛み
  • 効果実感が早い(数日~2週間)
  • 濃い毛に効果的
  • 冷却装置により痛み軽減可能

蓄熱式脱毛の特徴

蓄熱式脱毛は、低出力のレーザーを連続的に照射して徐々に熱を蓄積させる方式です。 45~55度程度の比較的低温でじんわりと毛包全体を加熱するため、熱破壊式のような瞬間的な強い痛みはありません。 痛みの感じ方は「じんわりと温かい」「ホットストーンを当てられているよう」と表現されることが多いです。

蓄熱式では、毛根よりも浅い位置にあるバルジ領域という発毛司令塔をターゲットにしています。 低温でゆっくりと熱を加えるため、医療脱毛が「痛すぎる」と感じる方にとっては選択しやすい方式といえます。 ただし、効果を実感するまでに2週間から数週間かかるため、即効性を求める方には向かない場合があります。

蓄熱式の特徴まとめ:

  • 低出力レーザーを連続照射
  • じんわりとした温かい感覚
  • 痛みが少ない
  • 産毛にも効果的
  • 効果実感まで時間がかかる

レーザーの種類による痛みの差

医療脱毛で使用されるレーザーには主に3種類があり、それぞれ波長の違いにより痛みの感じ方が異なります。 波長が長いほど皮膚の深部まで到達しますが、同時に痛みも強くなる傾向があります。 自分の毛質や肌質、痛みへの耐性を考慮して、適切なレーザーを選択することが重要です。

アレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトレーザーは波長755nmで、日本人の肌質に最も適しているといわれるレーザーです。 メラニン色素への反応が良好で、特に濃い毛に効果的ですが、その分痛みを感じやすい特徴があります。 痛みの感じ方は「指で軽く押される程度」から「熱いムチで叩かれる程度」まで個人差があります。

このレーザーの特徴として、照射と同時に冷却ガスが噴射される機種が多いため、痛みが軽減されやすいという利点があります。 また、美肌効果も期待できるため、脱毛と同時に肌質改善を望む方に人気があります。 ただし、日焼け肌や色素沈着がある部位には使用できない場合があるので注意が必要です。

特徴 詳細
波長 755nm
痛みの程度 中程度
適した毛質 濃い毛~普通の毛
メリット 美肌効果あり

 

ダイオードレーザー

ダイオードレーザーは波長800~810nmで、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間的な特性を持ちます。 蓄熱式脱毛機に多く採用されているレーザーで、痛みが少ないといわれることが多いですが、これは照射方式の違いによるものです。 熱破壊式でダイオードレーザーを使用した場合は、「くすぐられる程度」から「瞬間的に鉄板で焼かれる程度」まで痛みの幅があります。

ダイオードレーザーの特徴は、幅広い毛質や肌質に対応できることです。 産毛から濃い毛まで効果を発揮し、比較的日焼け肌にも使用可能です。 また、照射スピードが速いため、施術時間を短縮でき、結果的に痛みを感じる時間も短くなるという利点があります。

ヤグレーザー

ヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は波長1,064nmと最も長く、皮膚の深部まで到達するレーザーです。 深い位置にある毛根や、他のレーザーでは反応しにくい根深い毛に効果的ですが、その分痛みも最も強いとされています。 痛みの感じ方は「指でトントンされる程度」から「皮膚の中をムチで叩かれる程度」と表現されます。

ヤグレーザーが「痛すぎる」と感じられる理由は、深部まで熱が到達することで、より多くの神経を刺激するためです。 特にVIOやワキ、男性のヒゲなど、毛が太く根深い部位での使用時は強い痛みを感じやすくなります。 ただし、メラニン色素への反応が比較的弱いため、日焼け肌や色素沈着がある部位でも安全に使用できるという大きな利点があります。

特に痛みを感じやすい部位と理由

VIOのような剛毛でデリケートな部位

VIOは医療脱毛において最も「痛すぎる」と感じられやすい部位として知られています。 特にVラインとIラインの境目は、多くの方が強い痛みを訴える箇所です。 この部位が痛い理由は、毛が太く密集していること、皮膚が薄くデリケートであること、そして粘膜に近いという複数の要因が重なっているためです。

VIOの毛は他の部位と比較してメラニン色素が濃く、レーザーが強く反応します。 さらに、毛の密度が高いため、狭い範囲に集中的に熱が発生し、痛みが増幅されやすくなります。 また、この部位は普段から刺激を受けることが少ないため、痛覚が敏感になっているという特徴もあります。

VIOが特に痛い理由:

  • 毛が太く濃い(メラニン色素が多い)
  • 毛の密度が高い
  • 皮膚が薄くデリケート
  • 粘膜に近い
  • 神経が集中している
  • 普段刺激を受けない部位

実際の施術では、Vラインの外側から始めて徐々に内側へ進むことが多く、最も痛みを感じやすいのはVとIの境目付近です。 Oラインについては、意外にも痛みを感じにくいという方が多く、これは毛量が比較的少ないことと、皮膚に厚みがあることが理由とされています。 ただし、個人差があるため、痛みの感じ方は人それぞれ異なります。

ワキやヒゲなど濃い毛が密集する部位

ワキと男性のヒゲは、VIOに次いで痛みを感じやすい部位として挙げられます。 これらの部位の共通点は、太く濃い毛が狭い範囲に密集して生えていることです。 アンケート調査では、痛みが強かった部位ランキングでワキが2位、ヒゲ(特に鼻下・アゴ下)が1位という結果も出ています。

ワキの脱毛では、他の部位と比較して毛根が深い位置にあることも痛みの原因となります。 また、ワキは汗腺が多く皮膚が薄いため、熱による刺激を受けやすい特徴があります。 施術を受けた方の55%が1~5回目まで強い痛みを感じたと回答していますが、6回目以降は12%まで減少しており、回数を重ねることで痛みが軽減されることがわかります。

男性のヒゲ脱毛は、医療脱毛の中でも特に「痛すぎる」と評価されることが多い部位です。 特に鼻下は皮膚が薄く、神経が密集しているため、「細い針で刺されているような」鋭い痛みを感じます。 アゴ下も同様に痛みが強く、骨に近いことから振動が伝わりやすいという特徴があります。

顔や手指など皮膚が薄い部位

顔や手の指などの部位は、生えている毛が産毛であるにもかかわらず、意外と痛みを感じやすい部位です。 これは、皮膚が薄く、骨に近い位置にあることが主な原因です。 骨に近い部位では、レーザーの熱や振動が骨に伝わり、「骨に響くような痛み」として感じられることがあります。

顔の中でも特に痛みを感じやすいのは、額の生え際、鼻下、あご先などです。 これらの部位は皮下脂肪が少なく、直接骨の上に皮膚があるような構造になっています。 また、顔には三叉神経など重要な神経が集中しているため、わずかな刺激でも痛みとして認識されやすい特徴があります。

皮膚が薄い部位の特徴:

  • 皮下脂肪が少ない
  • 骨との距離が近い
  • 神経が集中している
  • 血管が多い
  • 産毛でも痛みを感じる

手の指や足の指も同様に、皮膚が薄く骨に近いため痛みを感じやすい部位です。 特に指の関節部分は皮膚が薄く、さらに可動部であるため日常的に刺激を受けており、敏感になっています。 襟足(うなじ)も首の骨に近く、神経が通っているため、人によっては強い痛みを感じることがあります。

部位による痛みの強さランキング

実際のアンケート調査や臨床データをもとに、医療脱毛で痛みを感じやすい部位をランキング形式でまとめました。 このランキングは30名以上の施術経験者への調査結果に基づいており、実際の声を反映したものです。 ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、あくまで参考程度にご覧ください。

順位 部位 痛みの程度(10段階) 特に痛い箇所
1位 VIO・ヒゲ 8~10 VとIの境目、鼻下
2位 ワキ 6~8 中央部分
3位 顔(鼻下以外) 5~7 額、あご先
4位 手足の指 4~6 関節部分
5位 腕・脚 3~5 ひじ・ひざ周り

 

このランキングからわかるように、毛が濃く密集している部位、皮膚が薄い部位、デリケートな部位ほど痛みを感じやすい傾向があります。 一方で、背中や腹部など、皮下脂肪が多く毛が薄い部位は比較的痛みが少ないことがわかります。 初めて医療脱毛を受ける方は、痛みの少ない部位から始めて徐々に慣れていくという方法もおすすめです。

痛みを感じやすい肌状態と体調

日焼けした肌への影響

日焼けした肌は医療脱毛において「痛すぎる」と感じる大きな要因のひとつです。 日焼けによって肌全体のメラニン色素が増加すると、レーザーが毛だけでなく肌表面にも反応してしまい、通常より強い痛みを感じることになります。 たとえば、通常は毛に8割、肌に2割の割合でレーザーが反応するところが、日焼け肌では肌への反応が3割、4割と増加してしまうのです。

日焼けした肌は、すでに軽い火傷状態にあるといえます。 紫外線によるダメージで肌のバリア機能が低下し、炎症を起こしている状態です。 この状態でレーザーを照射すると、通常以上の熱ダメージを受けやすく、痛みだけでなく火傷のリスクも高まります。

日焼け肌への影響:

  • メラニン色素の増加により痛みが増す
  • 肌への熱ダメージが増加
  • 火傷リスクが高まる
  • 施術自体を断られる可能性
  • 脱毛効果が低下する

実際、多くのクリニックでは日焼けの程度によっては施術を延期する判断をします。 これは安全性を最優先に考えた結果であり、日焼けが落ち着くまで2~3か月待つ必要がある場合もあります。 医療脱毛を計画している方は、施術の2週間前からは特に日焼け対策を徹底し、日焼け止めの使用や日傘の活用を心がけることが大切です。

乾燥肌とバリア機能の低下

肌の乾燥は、医療脱毛の痛みを増幅させる重要な要因です。 乾燥した肌はバリア機能が低下しており、外部からの刺激に対して過敏に反応します。 健康な肌では角質層に十分な水分が保持されていますが、乾燥肌では水分が不足し、熱エネルギーが局所的に集中しやすくなります。

潤いのある肌では、レーザーによって発生した熱エネルギーが水分を介して分散されます。 しかし、乾燥した肌では熱の逃げ場がなく、単位面積あたりの熱量が増加して「痛すぎる」と感じやすくなります。 また、乾燥肌は角質が厚くなりがちで、レーザーの浸透を妨げることもあり、結果的により高い出力が必要になることもあります。

乾燥による肌への影響は、施術後のトラブルリスクも高めます。 赤みや腫れ、かゆみなどの症状が出やすく、回復も遅くなる傾向があります。 そのため、脱毛期間中は特に保湿ケアを徹底することが重要です。

生理中のホルモンバランスの影響

生理期間中は、ホルモンバランスの変化により肌が敏感になり、痛みを感じやすくなります。 エストロゲンの減少により肌のバリア機能が低下し、普段なら耐えられる刺激でも「痛すぎる」と感じることがあります。 実際、同じ出力で照射しても、生理中は通常時の1.5倍程度痛みを感じるという報告もあります。

生理中の体は、プロスタグランジンという痛みを引き起こす物質が増加しています。 この物質は子宮収縮を促すだけでなく、全身の痛覚を敏感にする作用があります。 そのため、医療脱毛の痛みも通常より強く感じられるのです。

生理中の身体の変化:

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 肌のバリア機能低下
  • 痛覚の敏感化
  • 体温調節機能の低下
  • 精神的な不安定さ

多くのクリニックでは、VIO以外の部位であれば生理中でも施術可能としていますが、痛みが心配な方は予約日の変更を検討することをおすすめします。 特に生理前後3日間は最も敏感な時期とされており、可能であればこの期間を避けて施術を受けることで、痛みを軽減できます。 また、生理周期を把握して、最も体調が安定している時期に施術を受けることも効果的です。

体調不良時の痛みの感じ方

睡眠不足や疲労、ストレスなどの体調不良も、医療脱毛の痛みを増幅させる要因となります。 体調が優れないときは、痛みに対する耐性が低下し、通常なら我慢できる痛みでも「痛すぎる」と感じやすくなります。 特に、風邪や発熱時は体の防御反応が高まり、わずかな刺激にも過敏に反応してしまいます。

睡眠不足の状態では、痛みを調節する脳内物質の分泌が低下します。 通常、私たちの体は痛みを感じたときにエンドルフィンという鎮痛物質を分泌しますが、睡眠不足ではこの機能が低下します。 そのため、同じ刺激でもより強い痛みとして認識されてしまうのです。

体調 痛みへの影響 対策
睡眠不足 痛覚過敏になる 前日は7時間以上の睡眠
疲労蓄積 痛み耐性の低下 施術日は余裕のあるスケジュール
ストレス 緊張により痛み増幅 リラックス法の実践
風邪・発熱 全身の過敏反応 体調回復後に延期

 

また、精神的なストレスも痛みの感じ方に大きく影響します。 緊張や不安が強いと筋肉が硬直し、痛みをより強く感じやすくなります。 施術前にリラックスできる環境を整え、深呼吸などでリラックスすることで、痛みを軽減することができます。

医療脱毛の痛みを軽減する9つの方法

施術前の対策

医療脱毛の痛みを軽減するためには、施術前の準備が非常に重要です。 適切な事前対策を行うことで、「痛すぎる」という不安を大幅に軽減することができます。 施術前の対策は、日常的なケアから施術直前の準備まで、計画的に行うことがポイントです。

保湿ケアの徹底

保湿ケアは、医療脱毛の痛みを軽減する最も基本的かつ重要な対策です。 十分に保湿された肌は、レーザーの熱を効率的に分散させることができ、痛みを大幅に軽減します。 施術の2週間前から、毎日朝晩の保湿ケアを習慣化することが理想的です。

保湿ケアのポイント:

  • 入浴後5分以内に保湿剤を塗布
  • ボディクリームやローションをたっぷり使用
  • VIOなど見落としがちな部位も忘れずに
  • セラミド配合の保湿剤が効果的
  • 施術当日朝は保湿剤を控える

特に乾燥しやすい冬場は、加湿器を使用して室内の湿度を50~60%に保つことも効果的です。 ただし、施術当日の朝は保湿剤の使用を控える必要があります。 これは、肌表面に油分が残っているとレーザーの浸透を妨げる可能性があるためです。

日焼け対策の重要性

日焼け対策は、医療脱毛を受ける上で絶対に欠かせない準備です。 日焼けした肌では痛みが増すだけでなく、火傷のリスクも高まるため、年間を通じて紫外線対策を徹底する必要があります。 施術の2週間前からは特に注意が必要で、少しの外出でも必ず日焼け止めを使用しましょう。

効果的な日焼け対策として、SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを2~3時間おきに塗り直すことが推奨されています。 また、物理的な遮光も重要で、日傘やアームカバー、帽子などを活用しましょう。 曇りの日でも紫外線は降り注いでいるため、天候に関わらず対策を行うことが大切です。

体調管理と生理周期の調整

体調を整えることは、痛みに対する耐性を高める重要な要素です。 施術前日は十分な睡眠(7~8時間)を確保し、アルコールの摂取は控えましょう。 また、生理周期を把握して、最も体調が安定している時期に施術を受けることで、痛みを軽減できます。

女性の場合、生理後1週間から排卵期までが最も体調が安定し、痛みに対する耐性も高い時期とされています。 この時期は肌の状態も良好で、施術後の回復も早い傾向があります。 可能であれば、この時期に合わせて予約を取ることをおすすめします。

施術中の対策

施術中の対策は、痛みを直接的に軽減する最も効果的な方法です。 医療機関だからこそ使用できる麻酔や、最新の冷却技術、さらには意外なグッズの活用まで、さまざまな方法があります。 これらの対策を組み合わせることで、「痛すぎる」という不安を解消できます。

麻酔クリームの使用方法

麻酔クリームは、医療脱毛の痛みを軽減する最も確実な方法のひとつです。 リドカインやキシロカインという成分が含まれた表面麻酔薬で、塗布することで皮膚の感覚を一時的に鈍らせます。 一般的に、麻酔クリームの使用により痛みを30~50%程度軽減できるとされています。

麻酔クリームの使用手順は、施術の30~60分前に痛みが強い部位に厚めに塗布し、ラップで覆って浸透を促進します。 料金は1部位あたり1,000円~3,300円程度が相場で、特に初回から5回目くらいまでの毛量が多い時期に使用することが効果的です。 ただし、アレルギー反応を起こす可能性があるため、事前にパッチテストを行うことが重要です。

局所麻酔の効果

局所麻酔は、特に痛みが強い狭い範囲に対して使用される、より強力な痛み対策です。 注射により麻酔薬を直接皮下に注入するため、施術部位を完全に無痛化することができます。 主に男性のヒゲ脱毛の鼻下部分など、限定的な範囲で使用されることが多いです。

局所麻酔の特徴:

  • 完全な無痛化が可能
  • 効果は2~3時間持続
  • 狭い範囲に限定される
  • 注射の痛みはある
  • 追加料金が必要(5,000円~10,000円程度)

ブロック麻酔と呼ばれる神経ブロック法を用いることで、より広範囲の無痛化も可能です。 ただし、全身に使用することはできないため、最も痛みの強い部位に限定して使用することになります。 医療脱毛が「痛すぎる」と感じる方には、非常に有効な選択肢といえます。

冷却機能付き機器の選択

最新の医療脱毛機器には、強力な冷却機能が搭載されており、痛みを大幅に軽減できます。 たとえば、ジェントルマックスプロやジェントルレーズプロといった機器では、マイナス26度の冷却ガスを照射直前に噴射することで、瞬間的に皮膚を冷却します。 この冷却により、熱による痛みを感じにくくすることができます。

冷却機能の効果は単に痛みを軽減するだけでなく、火傷のリスクも低減します。 また、冷却により皮膚が収縮することで、毛根により効率的にレーザーを届けることができ、脱毛効果も向上します。 クリニック選びの際は、どのような冷却機能を持つ機器を使用しているか確認することが重要です。

マウスピースなどグッズの活用

意外に思われるかもしれませんが、マウスピースやトゲトゲボールなどのグッズも痛み対策として効果的です。 これらは「ゲートコントロール理論」に基づいており、別の刺激を与えることで痛みの感覚を分散させる効果があります。 実際に多くのクリニックで採用されており、患者さんからも好評を得ています。

グッズ 使用方法 効果
マウスピース 噛みしめる 緊張緩和、痛み分散
トゲトゲボール 握りしめる 刺激の分散、リラックス
冷却パック 施術前後に使用 感覚の鈍化

 

クリニック選びのポイント

医療脱毛の痛みを軽減するためには、適切なクリニック選びが極めて重要です。 最新機器の導入状況や看護師の技術力など、クリニックの質によって痛みの感じ方は大きく変わります。 「痛すぎる」という不安を解消するためにも、以下のポイントを確認しましょう。

最新機器の導入状況

クリニックが導入している脱毛機器のスペックは、痛みの程度を大きく左右します。 特に注目すべきは、日本の厚生労働省の薬事承認を取得している機器かどうかです。 薬事承認機器は安全性と効果が保証されており、適切な冷却機能も備わっています。

最新機器で特に優れているのは、ジェントルマックスプロプラスの26mmスポットサイズ仕様です。 スポットサイズが大きいほど、深部まで効率的にエネルギーを届けることができ、表面の痛みを軽減しながら高い脱毛効果を得られます。 また、照射スピードも速いため、痛みを感じる時間が短縮されるという利点もあります。

看護師の技術力と経験

実は、看護師の技術力によって医療脱毛の痛みは大きく変わります。 経験豊富な看護師は、患者の肌質や毛質を瞬時に判断し、最適な出力設定を行うことができます。 また、皮膚を適切に伸展させながら照射することで、痛みを軽減しつつ脱毛効果を高めることも可能です。

優れた看護師の技術:

  • 肌質に応じた適切な出力調整
  • 痛みの少ない照射角度の把握
  • 皮膚の伸展技術
  • 声かけによる緊張緩和
  • 冷却のタイミング調整

脱毛専門クリニックでは、看護師に対する厳しい研修や試験を実施していることが多く、高い技術力が保証されています。 カウンセリング時に、看護師の研修体制や経験について質問することで、そのクリニックの技術レベルを確認することができます。 技術力の高い看護師による施術は、「痛すぎる」という不安を大幅に軽減してくれるでしょう。

回数を重ねると痛みが軽減する理由

毛量減少による痛みの変化

医療脱毛の大きな特徴として、回数を重ねるごとに痛みが軽減していくという点があります。 これは、施術により毛量が徐々に減少していくためです。 初回の施術では太く濃い毛が多く存在し、レーザーが強く反応するため「痛すぎる」と感じることがありますが、2回目以降は確実に痛みが和らいでいきます。

医療脱毛では、成長期にある毛にのみ効果があるため、1回の施術で破壊できるのは全体の20~30%程度です。 しかし、優先的に太く濃い毛から脱毛されていくため、回を重ねるごとに残る毛は細く薄いものになっていきます。 メラニン色素の少ない細い毛はレーザーの反応が弱く、発生する熱量も少ないため、痛みも自然と軽減されるのです。

実際のデータでは、ワキ脱毛において55%の方が1~5回目まで強い痛みを感じていましたが、6回目以降は12%まで減少しています。 VIO脱毛でも同様に、67%から22%へと大幅に痛みを感じる人の割合が減っています。 このように、痛みの軽減は統計的にも証明されており、初回の痛みで諦める必要はないことがわかります。

2回目以降の痛みの推移

2回目以降の施術では、痛みの質も変化していきます。 初回は「バチッ」という鋭い痛みを感じることが多いですが、回数を重ねると「じんわりと温かい」程度の感覚になることが多いです。 これは、毛の密度が減ることで熱が集中しにくくなるためです。

施術回数による痛みの変化:

  • 1~2回目:最も痛みが強い時期(毛量が多い)
  • 3~4回目:痛みが和らぎ始める(太い毛が減少)
  • 5~6回目:かなり痛みが軽減(細い毛が中心)
  • 7回目以降:ほとんど痛みを感じない(産毛程度)

また、心理的な要因も痛みの軽減に寄与します。 初回は「どのくらい痛いのか」という不安や緊張から、実際以上に痛みを強く感じることがあります。 しかし、2回目以降は痛みの程度や持続時間を把握できているため、心構えができて痛みを受け入れやすくなります。

さらに、出力調整の最適化も痛み軽減の要因となります。 初回は安全性を考慮して控えめな出力から始めることが多いですが、肌の反応を見ながら徐々に最適な出力に調整していきます。 これにより、必要以上の出力による痛みを避けながら、効果的な脱毛が可能になるのです。

部位別の痛み軽減スピード

痛みが軽減するスピードは、部位によって異なります。 毛の太さや密度、皮膚の厚さなどの違いにより、痛みの軽減を実感できるタイミングが変わってきます。 一般的に、毛が薄い部位ほど早く痛みが軽減し、毛が濃い部位ほど時間がかかる傾向があります。

部位 痛み軽減を実感する回数 ほぼ無痛になる回数
腕・脚 2~3回目 5~6回目
背中・お腹 2~3回目 4~5回目
ワキ 3~4回目 6~8回目
VIO 4~5回目 8~10回目
男性ヒゲ 3~5回目 10~15回目

 

VIOや男性のヒゲなど、特に痛みの強い部位でも、確実に痛みは軽減していきます。 アンケート調査では、VIO脱毛で9回目以降も強い痛みを感じる方はわずか3%という結果が出ています。 つまり、最初は「痛すぎる」と感じても、継続することで必ず楽になるということです。

痛み軽減のスピードを早めるためには、適切な間隔で施術を受けることも重要です。 毛周期に合わせて2~3か月ごとに施術を受けることで、効率的に毛量を減らし、結果的に早く痛みから解放されることができます。 また、部位によって毛周期が異なるため、クリニックの指示に従って最適なタイミングで施術を受けることが大切です。

まとめ

医療脱毛が「痛すぎる」という不安を抱えている方も多いと思いますが、本記事で解説したとおり、痛みは適切な対策により大幅に軽減することが可能です。 実際に7,000人以上の施術実績があるクリニックでは、痛みが原因で断念した方はわずか1名という驚きのデータもあります。 つまり、99.9%以上の方が痛みに対処しながら、最後まで施術を続けられているのです。

医療脱毛の痛みは、レーザーが毛根のメラニン色素に反応して熱を発生させることが原因ですが、最新の冷却機能付き機器や麻酔クリームの使用、そして経験豊富な看護師の技術により、痛みを最小限に抑えることができます。 さらに、回数を重ねるごとに毛量が減少し、痛みも確実に軽減していくという希望があります。 初回が最も痛く、その後は楽になっていくということを知っているだけでも、心理的な負担は大きく軽減されるでしょう。

痛み対策の要点をまとめると、施術前の保湿ケアと日焼け対策、体調管理が基本となり、施術中は麻酔や冷却機能の活用、そして信頼できるクリニック選びが重要です。 これらの対策を総合的に実践することで、「痛すぎる」という不安を「思ったより大丈夫だった」という安心に変えることができます。 医療脱毛の効果は確実で、永久脱毛が可能な唯一の方法です。 痛みへの不安で一歩を踏み出せない方も、適切な対策と準備をすることで、理想の肌を手に入れることができるはずです。

監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。