監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。

医療脱毛をはじめるときに、だれもがきになるのが「何回かよえば効果がでるのか」という疑問ではないでしょうか。 高額な費用をかけるからこそ、事前に必要な回数をしっておきたいですよね。 じつは医療脱毛の平均回数は、部位や毛質によってことなりますが、一般的には5回から10回程度が目安となります。

この記事では、医療脱毛の平均回数について、部位別の詳細なデータをもとに解説していきます。 さらに、効果をたかめるための方法や、効果がでにくいときの対処法まで、医療脱毛をけんとうしているかたに必要な情報をすべてお伝えします。 最後まで読むことで、あなたにぴったりの脱毛プランがみつかるはずです。

医療脱毛の平均回数と効果の目安

自己処理が楽になるまでの平均5回

医療脱毛をはじめて、まず実感できるのが「自己処理が楽になった」という変化です。 一般的に、この段階にたっするまでの平均回数は約5回とされています。 ただし、これはあくまで平均値であり、毛質や毛量によって個人差があることをりかいしておきましょう。

5回の施術をうけると、以下のような効果を実感できます。

• 毛がはえてくるスピードが明らかにおそくなる
• 自己処理の頻度が週2〜3回から月1〜2回程度にへる
• カミソリまけなどの肌トラブルがへる
• 毛質がやわらかく、ほそくなってくる
• 全体的な毛量が半分以下にへる

医療脱毛では、1回の施術で約20%の毛根にアプローチできるとされています。 単純計算すると、5回で100%の毛根に照射できることになります。 しかし、実際には毛周期のタイミングや、照射もれなどの要因により、すべての毛根を完全に処理することはむずかしいのが現実です。

それでも、5回の施術後には多くのかたが「自己処理がかなり楽になった」と感じています。 とくに、毎日のようにシェービングしていた部位でも、数日間は処理しなくてもきにならない状態になることがおおいです。 この段階で満足するかたも一定数いらっしゃいますが、完全にツルツルをめざすなら、さらなる施術が必要となります。

ツルツル肌になるまでの平均8〜10回

完全にツルツルの肌、つまり自己処理がほぼ不要な状態をめざすなら、平均して8回から10回の施術が必要です。 この回数をかさねることで、産毛レベルの細い毛まで処理でき、ほとんど毛がはえてこない状態を実現できます。 ただし、部位によってはさらに回数が必要になるケースもあることをおぼえておきましょう。

8〜10回の施術をうけた場合の効果は以下のとおりです。

施術回数 達成できる状態 自己処理の頻度
8回 ほぼツルツル状態 2〜3ヶ月に1回程度
9回 産毛もほとんどない状態 半年に1回程度
10回 完全にツルツル ほぼ不要

 

ツルツル肌をめざすうえで重要なのは、最後までしっかりと通いきることです。 7〜8回目あたりで「もう十分かな」とおもってやめてしまうケースもありますが、のこった産毛がしばらくしてまたはえてくることがあります。 完璧な仕上がりをのぞむなら、10回程度の施術をうけることをおすすめします。

また、毛量がおおいかたや、毛質がふといかたの場合は、12回程度必要になることもあります。 とくにVIOやワキなど、毛がこい部位については、平均よりもおおめの回数を想定しておくとよいでしょう。 クリニックでのカウンセリング時に、自分の毛質や毛量を診断してもらい、適切な回数を提案してもらうことが大切です。

医療脱毛とエステ脱毛の回数差

医療脱毛とエステ脱毛では、必要な回数に大きなちがいがあります。 医療脱毛が平均8〜10回で完了するのにたいし、エステ脱毛では20〜30回以上かかることがおおいです。 この回数差は、使用する機器の出力のちがいや、施術者の資格のちがいによるものです。

以下の表で、両者の回数と期間のちがいを比較してみましょう。

項目 医療脱毛 エステ脱毛
効果を実感 2〜3回(3〜6ヶ月) 10回以上(1年半〜)
自己処理が楽に 5〜6回(8〜12ヶ月) 20回以上(3年〜)
ツルツル肌 8〜10回(1〜1.5年) 30回以上(5年〜)

 

医療脱毛がエステ脱毛よりも少ない回数ですむ理由は、使用するレーザーの出力のちがいにあります。 医療脱毛では、医師の管理のもとで高出力のレーザーを使用できるため、毛根を確実に破壊できます。 一方、エステ脱毛では安全性を優先して低出力の光脱毛器を使用するため、毛根へのダメージがよわく、何度も施術をくりかえす必要があるのです。

さらに、医療脱毛には永久脱毛効果がありますが、エステ脱毛は一時的な減毛効果にとどまります。 エステ脱毛では、施術をやめてしばらくすると、またムダ毛がはえてくることがおおいです。 トータルの費用や時間を考慮すると、医療脱毛のほうが効率的でコストパフォーマンスにすぐれているといえるでしょう。

毛周期と医療脱毛の関係

毛周期のメカニズムと成長期の重要性

医療脱毛の効果をりかいするうえで、毛周期のメカニズムをしることはひじょうに重要です。 毛周期とは、毛がはえかわるサイクルのことで、成長期、退行期、休止期の3つの段階をくりかえしています。 それぞれの段階には特徴があり、医療脱毛の効果にも大きくかかわってきます。

毛周期の3つの段階について、くわしくみていきましょう。

• 成長期:毛母細胞が活発にはたらき、毛がのびつづける時期(全体の約20%)
• 退行期:毛の成長がとまり、毛根が縮小していく時期(全体の約10%)
• 休止期:毛が完全にぬけおち、次の毛がはえる準備をする時期(全体の約70%)

とくに重要なのが成長期の毛です。 成長期の毛は、メラニン色素が豊富でレーザーがはんのうしやすく、毛根と毛母細胞がしっかりとつながっているため、レーザーのエネルギーが確実につたわります。 全体の約20%しか成長期の毛がないということは、1回の施術で処理できる毛もおなじく約20%ということになります。

毛周期は部位によってもことなり、顔は1〜2ヶ月、ワキは3〜4ヶ月、VIOは1.5〜2ヶ月というように、それぞれ独自のサイクルをもっています。 このため、全身脱毛をおこなう場合は、もっともながい毛周期にあわせて施術間隔を設定する必要があります。 一般的には2〜3ヶ月おきの施術がすいしょうされるのは、このような理由からです。

成長期の毛にのみ効果がある理由

医療脱毛のレーザーが成長期の毛にのみ効果をはっきするのには、明確な理由があります。 レーザーは黒い色素であるメラニンに反応して熱をはっせいさせ、その熱が毛根の組織を破壊するしくみです。 成長期の毛だけが、このメカニズムにてきした条件をそなえているのです。

成長期の毛が脱毛にてきしている理由を、以下にまとめました。

毛周期 メラニン含有量 毛根との結合 脱毛効果
成長期 多い 強い 高い
退行期 少ない 弱い 低い
休止期 ほぼなし なし なし

 

退行期の毛は、すでに毛根とのけつごうがよわくなっており、レーザーの熱が毛根までつたわりにくくなっています。 また、メラニン色素もすくなくなっているため、レーザーがじゅうぶんに反応しません。 休止期にいたっては、毛がぬけおちているか、もしくは皮膚のしたでやすんでいる状態なので、レーザーをあててもまったく効果がないのです。

このような理由から、1回の施術では全体の約20%の毛しか処理できず、複数回の施術が必要になります。 しかし、これはけっしてデメリットではありません。 段階的に脱毛していくことで、肌へのふたんもかるくなり、安全に確実な脱毛効果をえられるのです。

適切な施術間隔の重要性

医療脱毛で最大の効果をえるためには、適切な施術間隔をまもることがひじょうに重要です。 はやく脱毛をおわらせたいからといって、短期間に集中して施術をうけても、効果はたかまりません。 むしろ、毛周期にあわせた適切なタイミングで施術をうけることで、効率的に脱毛をすすめることができます。

一般的にすいしょうされる施術間隔は、以下のとおりです。

• 1〜3回目:2ヶ月おき
• 4〜6回目:2〜3ヶ月おき
• 7回目以降:3〜4ヶ月おき

施術回数がふえるにつれて間隔をながくするのは、毛量がへることで毛周期がゆっくりになるためです。 はじめのうちは2ヶ月おきでも十分な成長期の毛がありますが、回数をかさねると成長期の毛がそろうまでに時間がかかるようになります。 このため、後半になるほど間隔をあけたほうが効率的なのです。

逆に、施術間隔があきすぎるのもよくありません。 半年以上あいてしまうと、休止期だった毛がすべて成長期にはいってしまい、1回の施術で処理しきれなくなるケースがあります。 また、せっかくよわっていた毛根がかいふくしてしまう可能性もあるため、3〜4ヶ月以内には次の施術をうけることをおすすめします。

部位別の必要回数の詳細

顔・背中の回数目安

顔と背中の脱毛は、ほかの部位とくらべて回数がおおくなる傾向があります。 これらの部位は産毛がちゅうしんで、メラニン色素がうすいため、レーザーが反応しにくいという特徴があります。 自己処理が楽になるまでに8〜10回、ツルツル肌をめざすなら11〜14回程度が目安となります。

顔脱毛において注意すべきポイントを、以下にまとめました。

• 産毛は色素がうすく、レーザーの反応がよわい
• 肌がデリケートなため、出力をさげて施術することがある
•ホルモンバランスの影響をうけやすく、効果に個人差がでやすい
• 日焼けしやすい部位のため、紫外線対策が必須
• 毛周期が1〜2ヶ月とみじかいため、施術間隔をつめられる

背中の脱毛も、顔とおなじように産毛がちゅうしんのため、回数がかかります。 さらに、背中は面積がひろく、照射もれがおきやすい部位でもあります。 自分では確認しにくい部位だからこそ、信頼できるクリニックでしっかりと施術をうけることが大切です。

顔や背中の脱毛では、蓄熱式レーザーの使用がこうかてきとされています。 蓄熱式レーザーは、産毛のようなうすい毛にも効果をはっきしやすく、肌へのふたんもすくないという特徴があります。 クリニック選びの際は、どのようなレーザー機器をつかっているかも確認しておくとよいでしょう。

ワキの回数目安

ワキは医療脱毛のなかでも、もっとも効果を実感しやすい部位のひとつです。 毛がふとくてこく、メラニン色素が豊富なため、レーザーがよく反応します。 自己処理が楽になるまで5〜7回、ツルツル肌になるまで8〜10回が平均的な回数です。

ワキ脱毛の効果がたかい理由と特徴は、以下のとおりです。

特徴 詳細 脱毛への影響
毛質 太くて濃い レーザーが反応しやすい
範囲 狭い 照射漏れが少ない
毛周期 3〜4ヶ月 計画的に通いやすい

 

ワキ脱毛では、早いかたで3回目から効果を実感できることがあります。 「毛がほとんどはえなくなった」「たまにはえてきても、ほそい毛だけ」といった声がおおくきかれます。 ただし、長年の自己処理によって黒ずみがある場合は、レーザーの出力をさげる必要があるため、回数がふえる可能性があります。

ワキは汗をかきやすい部位でもあるため、施術後のケアがとくに重要です。 清潔をたもち、制汗剤の使用をひかえるなど、適切なアフターケアをこころがけましょう。 また、ワキ脱毛だけでなく、全身脱毛のコースにふくまれることがおおいため、ほかの部位とあわせて脱毛するのも効率的です。

腕・脚・ボディの回数目安

腕や脚、ボディ(お腹・胸)の脱毛は、比較的効果があらわれやすい部位です。 毛の太さが中程度で、レーザーが反応しやすく、かつ肌へのふたんもすくないという特徴があります。 自己処理が楽になるまで5〜7回、ツルツル肌になるまで8〜10回が平均的な目安となります。

腕と脚の脱毛における部位ごとの特徴をみていきましょう。

• ひじ下・ひざ下:毛がこく、効果を実感しやすい(5〜8回)
• ひじ上・ひざ上:産毛がおおく、やや回数がかかる(7〜10回)
• 手の甲・指:意外と毛がこく、効果がでやすい(5〜7回)
• 足の甲・指:日焼けしやすく注意が必要(6〜8回)

ボディの脱毛では、お腹や胸など、産毛がちゅうしんの部位は回数がかかる傾向があります。 とくに男性の場合は、胸毛やへそ周りの毛がこいため、女性よりも少ない回数で効果を実感できることがあります。 一方、背中やお尻などは産毛がおおく、10回以上の施術が必要になることもあります。

これらの部位は露出がおおいため、日焼け対策がひじょうに重要です。 とくに夏場は、日焼け止めをこまめにぬりなおし、施術前後は紫外線をさけるようにしましょう。 また、乾燥しやすい部位でもあるため、保湿ケアをしっかりとおこなうことで、脱毛効果をたかめることができます。

VIOラインの回数目安

VIOラインは、デリケートゾーンの脱毛として人気がたかまっている部位です。 毛質がふとくてこいため、レーザーは反応しやすいものの、痛みをかんじやすく、肌もデリケートなため慎重な施術が必要です。 全体的に自己処理が楽になるまで5〜9回、ツルツル肌になるまで10〜12回程度が目安となります。

Vラインの特徴

Vラインは、ビキニラインともよばれ、下着からはみでる部分の脱毛です。 毛量や毛質に個人差がおおきく、デザイン脱毛をえらぶかたもおおい部位です。 完全に脱毛するハイジニーナと、形をのこすデザイン脱毛では、必要な回数がことなります。

Vラインの脱毛パターンと回数の目安は以下のとおりです。

• ハイジニーナ(完全脱毛):10〜12回
• ナチュラル(自然な形にととのえる):8〜10回
• トライアングル(逆三角形):7〜9回
• スクエア(四角形):7〜9回
• 毛量調整のみ:5〜7回

Vラインは、ほかの部位とくらべて毛の密度がたかいため、はじめの数回は効果を実感しにくいことがあります。 しかし、3〜4回目からは明らかに毛量がへり、毛質もやわらかくなってきます。 デザイン脱毛の場合は、希望の形をしっかりとつたえ、段階的に形をととのえていくことが大切です。

I・Oラインの特徴

I・OラインはVラインよりもさらにデリケートな部位で、粘膜にちかいため慎重な施術が必要です。 黒ずみがある場合もおおく、レーザーの出力調整がむずかしい部位でもあります。 自己処理が楽になるまで5〜9回、完全にツルツルになるまで10〜12回程度かかります。

I・Oラインの脱毛における注意点をまとめました。

部位 特徴 注意点
Iライン 粘膜に近く敏感 痛み対策(麻酔)が必要な場合あり
Oライン 見えにくく自己処理困難 事前処理はクリニックに依頼も可

 

I・Oラインの脱毛は、衛生面でのメリットがおおきく、生理時の不快感がへる、においがきにならなくなるなどの効果があります。 ただし、痛みをかんじやすいため、麻酔クリームの使用や、出力をさげての施術になることがあり、そのぶん回数がふえる可能性があることをりかいしておきましょう。

メンズヒゲ脱毛の回数目安

メンズのヒゲ脱毛は、男性の医療脱毛でもっとも人気のある部位です。 毎日のひげそりから解放されたい、青ひげを解消したいというニーズがたかまっています。 自己処理が楽になるまで5〜7回、完全にツルツルになるまで8〜10回が平均的な目安です。

ヒゲ脱毛の部位別の特徴は以下のとおりです。

• あご:もっとも毛がこく、10回以上かかることも
• 鼻下:毛の密度がたかく、8〜10回程度
• ほほ:比較的毛がうすく、6〜8回程度
• もみあげ:デザインにこだわる場合は回数がふえる
• 首:意外と毛がこく、8〜10回程度

男性のヒゲは、女性の体毛とくらべてとくに太くてかたいため、痛みをかんじやすいという特徴があります。 とくに鼻下やあごは、神経がおおくとおっているため、強い痛みをかんじることがあります。 最近では、痛みのすくない蓄熱式レーザーや、麻酔の使用により、快適に施術をうけられるようになっています。

また、ヒゲ脱毛では完全にツルツルにするだけでなく、デザイン脱毛をえらぶかたもおおいです。 ヒゲをうすくする、形をととのえる、部分的にのこすなど、希望にあわせて回数を調整できます。 朝のひげそり時間がなくなることで、肌あれもかいぜんし、清潔感のある印象になるため、ビジネスマンを中心に人気がたかまっています。

回数ごとの脱毛効果の変化

1回目:ムダ毛が抜け始める

医療脱毛の1回目の施術後、約2週間でムダ毛がぬけはじめます。 これは「ポップアップ現象」とよばれ、レーザーで破壊された毛根から毛がおしだされてくる現象です。 シャワーをあびているときや、タオルでふいたときに、するっと毛がぬけることに気づくでしょう。

1回目の施術後にみられる変化をくわしくみていきましょう。

• 施術直後〜3日:とくに変化はかんじられない
• 1週間後:毛の成長がおそくなったようにかんじる
• 2週間後:毛がポロポロとぬけはじめる
• 3週間後:照射部位の約20%の毛がぬけおちる
• 1ヶ月後:あたらしい毛がはえてくるが、以前よりもほそい

1回目の施術では、全体の約20%の毛にしか効果がないため、劇的な変化はかんじられません。 しかし、確実に毛根は破壊されており、つぎの施術にむけて準備がすすんでいます。 この時期に大切なのは、ぬけかけの毛を無理にひっぱらないことです。

自然にぬけるのをまち、やさしくあらうようにしましょう。 また、施術後の肌はデリケートになっているため、保湿ケアをしっかりとおこない、日焼けをさけることが重要です。 1回目から効果をかんじられなくても、あせる必要はありません。

2〜3回目:毛量減少と毛質の変化

2〜3回目の施術をおえると、あきらかに毛量がへり、毛質もかわってきます。 とくに毛がこい部位では、この段階で「自己処理が楽になった」とかんじるかたがおおいです。 全体の40〜60%の毛が処理され、みためにも変化があらわれます。

2〜3回目の施術後にみられる効果は以下のとおりです。

変化の内容 2回目後 3回目後
毛量 30〜40%減少 50〜60%減少
毛の太さ やや細くなる 明らかに細い
自己処理頻度 週2回程度 週1回程度

 

この段階になると、まわりのひとから「肌がきれいになった」といわれることもふえてきます。 毛がほそくなることで、毛穴もめだたなくなり、肌のキメがととのってみえます。 また、カミソリまけなどの肌トラブルもへるため、肌の状態が全体的にかいぜんします。

ただし、部位によって効果のあらわれかたにはバラつきがあります。 ワキやVIOなど毛がこい部位は効果を実感しやすいですが、顔や背中などの産毛は、まだあまり変化をかんじられないかもしれません。 これは正常なことなので、継続して施術をうけることが大切です。

5回目:自己処理が大幅に楽になる

5回目の施術をおえると、多くのかたが「自己処理がほとんどいらなくなった」と実感します。 全体の80〜100%の毛に一度はレーザーが照射され、のこっているのは産毛や、まだ成長期をむかえていなかった毛だけです。 この段階で満足して脱毛を終了するかたも一定数います。

5回目の施術後の状態について、くわしくみていきましょう。

• 毛量は初回から70〜80%減少
• のこった毛もほとんどが産毛レベル
• 自己処理は月1〜2回程度で十分
• 毛穴がめだたなくなり、肌がなめらかに
• カミソリや毛抜きをつかう必要がなくなる

とくにワキやひざ下など、毎日処理していた部位では、劇的な変化をかんじられます。 朝の身支度時間が大幅にみじかくなり、急な外出やプール、温泉なども気にせず楽しめるようになります。 また、肌へのふたんがへることで、黒ずみや埋没毛などのトラブルもかいぜんしていきます。

ただし、この段階ではまだ完全にツルツルというわけではありません。 よくみると産毛がのこっていたり、ホルモンバランスの変化でまた毛がはえてくることもあります。 完璧をめざすなら、もう少し施術を継続することをおすすめします。

8〜10回目:ツルツル肌の実現

8〜10回の施術をおえると、ついにツルツル肌が実現します。 ほとんどの毛根が破壊され、産毛すらほとんどはえてこない状態になります。 この段階になると、自己処理はほぼ不要となり、つるつるの肌をキープできるようになります。

8〜10回目の施術後の効果をまとめました。

• 毛量は95%以上減少し、ほぼツルツル状態
• 自己処理は年に数回程度、もしくは完全に不要
• 毛穴が完全にめだたなくなる
• 肌のトーンがあかるくなる
• さわり心地がなめらかで、すべすべに

この段階では、どんなに近くでみても毛がみえないレベルになります。 素肌に自信がもてるようになり、ノースリーブや水着も堂々ときることができます。 また、メイクのノリもよくなり、ファンデーションの量もへらせるようになります。

10回の施術をおえても、体質によってはごくまれに細い毛がはえてくることがあります。 これは、ホルモンバランスの変化や、休眠していた毛根が活性化することが原因です。 きになる場合は、追加で1〜2回の施術をうけることで、完全にツルツルの状態を維持できるでしょう。

少ない回数で効果を高める方法

脱毛機の種類とレーザーの確認

医療脱毛の効果をさいだいかするためには、自分の毛質や肌質にあった脱毛機をえらぶことが重要です。 現在、医療脱毛でつかわれているレーザーは主に3種類あり、それぞれ特徴がことなります。 クリニックを選ぶ際は、どのレーザーをつかっているか確認することをおすすめします。

3種類のレーザーの特徴を比較してみましょう。

レーザー種類 波長 得意な毛質 特徴
アレキサンドライト 755nm 太い毛 美肌効果もある
ダイオード 810nm 産毛〜普通 痛みが少ない
ヤグ 1,064nm 根深い毛 日焼け肌も可

 

また、照射方式にも熱破壊式と蓄熱式の2種類があります。 熱破壊式は、高出力で毛根を一気に破壊するため、即効性がありますが痛みをかんじやすいです。 一方、蓄熱式は、じわじわと熱をくわえて脱毛するため、痛みはすくないですが、効果を実感するまでに時間がかかります。

自分の毛質や痛みへの耐性をかんがえて、最適な機器をえらびましょう。 複数のレーザーをつかいわけているクリニックなら、部位や毛質にあわせて最適な施術がうけられるため、より少ない回数で効果をえられる可能性があります。

セルフケアの重要性

医療脱毛の効果をたかめるためには、日々のセルフケアがひじょうに重要です。 適切なケアをおこなうことで、レーザーの効果を最大限にひきだし、施術回数をへらすことができます。 逆に、ケアをおこたると効果がさがり、予定よりも回数がふえてしまう可能性があります。

保湿ケアの徹底

保湿は医療脱毛において、もっとも重要なセルフケアのひとつです。 うるおった肌は、レーザーの熱がつたわりやすく、脱毛効果がたかまります。 また、肌のバリア機能もたかまるため、施術後の肌トラブルをふせぐことができます。

効果的な保湿ケアの方法をご紹介します。

• 朝晩2回、たっぷりと保湿剤をぬる
• 施術前後は、とくに念入りに保湿する
• ボディローションよりも、保湿力のたかいクリームをつかう
• 入浴後5分以内に保湿することで、水分をとじこめる
• 乾燥しやすい部位(ひじ、ひざ、かかと)は重点的にケア

保湿をしっかりおこなうことで、肌の状態がよくなり、レーザーの出力をあげられるようになります。 結果として、少ない回数で高い脱毛効果をえることができるのです。 とくに冬場は乾燥しやすいため、加湿器をつかうなど、環境面でも対策をしましょう。

日焼け防止対策

日焼けは医療脱毛の大敵です。 日焼けした肌にレーザーを照射すると、やけどのリスクがたかまるため、施術ができなくなることがあります。 また、施術できたとしても、出力をさげる必要があるため、脱毛効果がおちてしまいます。

徹底的な日焼け対策の方法は以下のとおりです。

• SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを毎日つかう
• 2〜3時間ごとに日焼け止めをぬりなおす
• 日傘、帽子、長袖などで物理的に紫外線をカット
• 施術前後2週間は、とくに注意して紫外線をさける
• くもりの日でも紫外線対策をおこたらない

日焼け対策をしっかりおこなうことで、予定どおりに施術をうけられ、計画的に脱毛をすすめることができます。 また、美白効果もあるため、脱毛とあわせて美肌もめざせます。 夏だけでなく、一年をとおして紫外線対策をこころがけましょう。

肌荒れの予防

肌があれていると、施術時の痛みがつよくなったり、レーザーの出力をさげる必要があったりします。 場合によっては、肌あれがおさまるまで施術を延期することもあります。 日頃から肌あれをふせぐケアをおこなうことが大切です。

肌あれを予防するためのポイントをまとめました。

予防方法 具体的な対策
適切な洗浄 刺激の少ない洗浄剤を使い、やさしく洗う
摩擦を避ける タオルでゴシゴシこすらず、押さえるように拭く
刺激物を避ける アルコール配合の化粧品は使わない
規則正しい生活 睡眠をしっかりとり、ストレスをためない

 

とくに敏感肌のかたは、施術前後の肌の状態に注意をはらいましょう。 肌あれがおきてしまったら、はやめに皮膚科を受診し、適切な治療をうけることが大切です。 健康な肌を維持することで、スムーズに脱毛をすすめることができます。

生活習慣を整える効果

生活習慣をととのえることは、医療脱毛の効果をたかめるうえで意外と重要です。 毛の成長には、ホルモンバランスが大きくかかわっており、生活習慣の乱れはホルモンバランスをくずす原因となります。 規則正しい生活をおくることで、毛周期もととのい、効率的な脱毛が可能になります。

生活習慣で気をつけるべきポイントは以下のとおりです。

• 睡眠時間を7〜8時間確保する
• バランスのよい食事をこころがける
• 適度な運動で血行をよくする
• ストレスをためないようにする
• 喫煙や過度の飲酒をひかえる

とくに睡眠不足は、成長ホルモンの分泌をさまたげ、肌のターンオーバーを乱します。 その結果、肌の状態がわるくなり、レーザーの効果がさがってしまいます。 質のよい睡眠をとることで、肌の回復力がたかまり、施術後の肌トラブルもおきにくくなります。

また、栄養バランスのとれた食事も重要です。 ビタミンやミネラルを十分にとることで、肌の健康をたもち、脱毛効果をサポートします。 とくにビタミンCやEは、肌の回復をたすけ、色素沈着をふせぐ効果があります。

正しい自己処理方法の実践

医療脱毛中の自己処理方法は、脱毛効果に大きく影響します。 まちがった方法で処理をすると、毛周期がみだれたり、肌トラブルをおこしたりして、施術回数がふえてしまう可能性があります。 正しい自己処理方法をみにつけることが、効率的な脱毛への近道です。

医療脱毛中の正しい自己処理方法をご紹介します。

• 毛抜きやワックスは絶対につかわない(毛根ごとぬいてしまうため)
• 電気シェーバーがもっともおすすめ(肌への負担がすくない)
• カミソリをつかう場合は、切れ味のよいものを選ぶ
• 施術前日〜2日前に処理する(当日はさける)
• 処理後は必ず保湿ケアをおこなう

とくに注意したいのが、毛抜きやワックスの使用です。 これらの方法は毛根ごとぬいてしまうため、レーザーが反応する対象がなくなってしまいます。 せっかくの施術が無駄になってしまうので、絶対にさけましょう。

電気シェーバーは、肌への負担がもっともすくなく、医療脱毛中の自己処理に最適です。 刃が直接肌にふれないため、肌あれのリスクもひくくなります。 少し値段ははりますが、医療脱毛への投資とかんがえて、質のよいものを購入することをおすすめします。

効果が出にくい場合の対処法

毛周期に合わせた通院の見直し

医療脱毛で思うような効果がでない場合、まず確認すべきは通院間隔です。 毛周期にあわせた適切なタイミングで施術をうけているか、もう一度みなおしてみましょう。 間隔があきすぎたり、逆にみじかすぎたりすると、効果的な脱毛ができません。

通院間隔をみなおすポイントは以下のとおりです。

問題点 影響 対処法
間隔が短すぎる 成長期の毛が少なく効果が薄い 2〜3ヶ月は空ける
間隔が長すぎる 処理済みの毛根が回復する 4ヶ月以内に次の施術
不規則な通院 毛周期とずれる 定期的な予約を心がける

 

また、部位によって最適な間隔がことなることもおぼえておきましょう。 たとえば、顔は毛周期がみじかいため1.5〜2ヶ月おき、ワキは3〜4ヶ月おきが理想的です。 全身脱毛の場合は、もっともながい毛周期にあわせて施術間隔を設定することになります。

もし仕事や家庭の事情で定期的な通院がむずかしい場合は、クリニックに相談してみましょう。 予約の取りやすい時間帯を教えてもらったり、キャンセル待ちを活用したりすることで、適切な間隔での施術が可能になります。

照射漏れの可能性の確認

効果がでにくいもうひとつの原因として、照射もれの可能性があります。 照射もれとは、レーザーがあたっていない部分があることで、その部分だけ毛がのこってしまう現象です。 とくに背中や太もものうらなど、みえにくい部位でおこりやすいです。

照射もれを確認する方法と対処法は以下のとおりです。

• 施術後2〜3週間で、部分的に毛がのこっていないか確認
• 直線状や四角形状に毛がのこっている場合は照射もれの可能性大
• 写真をとって記録しておく
• クリニックに連絡し、再照射をうけられるか確認
• 信頼できる技術者がいるクリニックを選ぶ

多くのクリニックでは、照射もれがみとめられた場合、無料で再照射をおこなってくれます。 ただし、申告期限があることがおおいため、はやめに連絡することが大切です。 また、毎回おなじ技術者に施術してもらうことで、照射もれのリスクをへらすこともできます。

照射もれをふせぐためには、施術前の準備も重要です。 しっかりと自己処理をおこない、肌の状態をととのえておくことで、技術者も照射しやすくなります。 また、施術中に「ここもお願いします」など、気になる部分があれば遠慮なくつたえましょう。

肌状態の改善方法

肌の状態がわるいと、レーザーの効果が十分にはっきされません。 乾燥、肌あれ、色素沈着などがあると、出力をさげざるをえなくなり、結果として脱毛効果がおちてしまいます。 肌状態を改善することで、本来の脱毛効果をとりもどすことができます。

肌状態を改善するための具体的な方法をご紹介します。

• 保湿を1日3回以上おこなう(朝・昼・晩)
• 敏感肌用のスキンケア製品にきりかえる
• ピーリングで古い角質をとりのぞく(週1回程度)
• ビタミンC誘導体配合の美容液をつかう
• 皮膚科で肌あれの治療をうける

とくに色素沈着がある場合は、美白ケアも並行しておこないましょう。 ハイドロキノンやトレチノインなど、医薬品の美白剤をつかうことで、短期間で改善することができます。 ただし、これらの成分は刺激がつよいため、医師の指導のもとでつかうことをおすすめします。

また、インナーケアも大切です。 コラーゲンやヒアルロン酸のサプリメントをとることで、肌の内側からうるおいを補給できます。 ビタミンCやビタミンEも、肌の回復をたすけ、脱毛効果をサポートします。

まとめ

医療脱毛の平均回数は、自己処理が楽になるまで約5回、ツルツル肌をめざすなら8〜10回が目安となります。 ただし、これはあくまで平均値であり、毛質や部位によって個人差があることをりかいしておきましょう。 顔や背中などの産毛は回数がかかりやすく、ワキやVIOなどの濃い毛は効果を実感しやすい傾向があります。

効率的に脱毛をすすめるためには、毛周期にあわせた適切な間隔で通院することが重要です。 また、日々のセルフケアをしっかりとおこない、肌の状態をととのえることで、レーザーの効果を最大限にひきだすことができます。 保湿、日焼け対策、正しい自己処理方法など、基本的なケアを継続することが、少ない回数での脱毛完了につながります。

医療脱毛は、エステ脱毛とくらべて少ない回数で永久脱毛効果がえられる、効率的な脱毛方法です。 初期投資はたかくかんじるかもしれませんが、トータルの時間と費用をかんがえると、けっしてたかい投資ではありません。 自分の毛質や希望にあったクリニックを選び、計画的に施術をうけることで、理想のツルツル肌を手にいれることができるでしょう。

これから医療脱毛をはじめるかた、すでにはじめているけれど効果に不安があるかた、この記事が参考になれば幸いです。 美しい肌をめざして、一歩ずつ着実にすすんでいきましょう。

監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。