サクセンダを使用しているのに「食欲が減らない」「効果が感じられない」という声が増えています。

サクセンダによる体重減少は個人差が大きく、正しい使用方法や生活習慣の改善が重要になってきます。この記事では、サクセンダの効果を最大限に引き出す方法について、医師監修のもと詳しく解説していきます。

監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。

サクセンダの基本情報と作用機序

サクセンダは、肥満症の治療薬として海外で開発された注射薬です。体重減少の効果が期待できることから、日本でも多くの方がダイエット目的で使用しています。20週間の臨床試験では、3.0mgの投与で平均4.4kgの減量効果が確認されています。

GLP-1受容体作動薬としての特徴

GLP-1は、私たちの体内で分泌される血糖値を下げるホルモンの一種です。サクセンダは、このGLP-1と似た働きをするリラグルチドという成分を含んでおり、食欲抑制効果が期待できます。血糖値の上昇を抑え、満腹中枢に作用することで、自然な形での体重減少をサポートします。

【サクセンダの特徴】
– 1日1回の自己注射
– 効果の発現が比較的早い(4~5日)
– 慣れによる効果低下が起きにくい
– 打ち忘れで効果が抜けやすい

サクセンダの3つの主な効果

サクセンダには以下の3つの主要な効果があります。

1. 満腹中枢への働きかけ:脳の視床下部にある満腹中枢に作用し、食欲を抑制します。これにより、自然と食事量が減少します。

2. 胃腸の働きの調整:胃の動きを緩やかにすることで、食べ物の消化時間が延び、満腹感が持続します。食事の量が少なくても満足感を得やすくなります。

3. 血糖値の安定化:血糖値の急激な上昇を防ぐことで、体脂肪が蓄積されにくい環境を作ります。これにより、長期的な体重管理がしやすくなります。

ビクトーザとの違い

サクセンダとビクトーザは同じGLP-1受容体作動薬ですが、投与量と使用目的に大きな違いがあります。ビクトーザが主に糖尿病治療薬として使用されるのに対し、サクセンダは体重減少効果を重視して開発されました。

【サクセンダとビクトーザの比較】

項目 サクセンダ ビクトーザ
最大投与量 3.0mg 0.9mg
主な目的 体重減少 血糖値管理
投与回数 1日1回 1日1回
効果発現 4~5日 1~2週間

 

サクセンダはより高用量での投与が可能なため、体重減少効果が期待できますが、それに伴い副作用のリスクも考慮する必要があります。医師との相談のもと、適切な投与量を決定することが重要です。

サクセンダで食欲が減らない・痩せない原因

サクセンダを使用しても期待通りの効果が得られないという方は少なくありません。食欲抑制効果や体重減少効果を実感できない原因には、いくつかのパターンがあり、適切な対処法を知ることが重要です。

投与量や期間の問題

サクセンダの効果を最大限に引き出すためには、適切な投与量の設定十分な使用期間が不可欠です。研究データによると、投与量と使用期間は体重減少効果と密接な関係があります。

投与量が合っていない

サクセンダの推奨投与スケジュールは以下の通りです。

【投与量の段階的増加】
1. 初回:0.6mg
2. 1週間後:1.2mg
3. 2週間後:1.8mg
4. 3週間後:2.4mg
5. 4週間後:3.0mg(最大投与量)

効果が感じられない主な理由として、投与量が少なすぎるケースが挙げられます。一方で、急激な増量は副作用のリスクを高めるため注意が必要です。

個人に適した投与量は、体格や体質によって大きく異なります。

使用期間が短すぎる

サクセンダによる体重減少効果は、3ヶ月以上の継続使用で顕著になることがわかっています。20週間の臨床試験では、3.0mg投与群で平均4.4kgの減量が確認されました。

【効果が表れる期間の目安】
– 食欲抑制効果:4~5日
– 体重減少開始:2~3週間
– 顕著な効果:3ヶ月以上
– 推奨治療期間:4~13ヶ月

短期間での効果判断は適切ではありません。継続的な使用定期的な効果確認が重要になります。

以下のような場合は、医師に相談のうえ投与量や使用期間の調整を検討しましょう。
– 2週間以上食欲抑制効果を感じない
– 1ヶ月以上体重の変化がない
– 副作用が気になる
– 生活リズムに合わせた投与時間の調整が必要

生活習慣の問題

サクセンダは食欲抑制作用によって体重減少をサポートする薬剤ですが、生活習慣の改善なしでは十分な効果が得られにくいことがわかっています。日々の生活パターンを見直すことで、より確実な減量効果が期待できます。

食事量・内容が変わらない

食事の質と量は、サクセンダの効果を左右する重要な要素です。従来の食習慣を続けることは、せっかくの食欲抑制効果を活かしきれていない状態といえます。

【効果的な食事改善のポイント】
– 1日3食を規則正しく摂取
– 炭水化物の割合を全体の50%以下に
– たんぱく質を積極的に摂取(体重1kgあたり1.2~1.5g)
– 野菜を先に食べる
– よく噛んでゆっくり食べる

間食・アルコールの過剰摂取

間食やアルコールの習慣は、サクセンダの効果を著しく低下させる要因となります。特にすい臓への負担が大きいアルコールは、GLP-1の作用を妨げる可能性があります。

【要注意の食習慣】

習慣 問題点 改善案
深夜の間食 代謝低下、脂肪蓄積 就寝3時間前までに食事を済ませる
糖質の多い間食 血糖値の急上昇 ナッツや低糖質スナックに変更
習慣的な飲酒 すい臓負担、薬効低下 週2回以下、適量を守る

 

運動不足

基礎代謝の向上脂肪燃焼の促進には、適度な運動が欠かせません。サクセンダを使用中でも、日常的な運動習慣を心がけることが重要です。

【おすすめの運動メニュー】
1. 軽い有酸素運動(20~30分/日)
– ウォーキング
– 自転車
– 水泳

2. 筋力トレーニング(2~3回/週)
– スクワット
– プランク
– 腹筋運動

3. 生活習慣の改善
– エレベーターの代わりに階段を使用
– 近距離は徒歩や自転車で移動
– デスクワーク時の小まめなストレッチ

これらの運動は、急激な体重減少を目指すものではなく、持続可能な生活習慣の改善として取り入れることが大切です。無理のない範囲で始め、徐々に運動量を増やしていきましょう。

体質や基礎代謝の影響

個人の体質や基礎代謝は、サクセンダの効果に大きく影響します。肥満の程度や体脂肪の質によって、薬剤への反応が異なることが研究で明らかになっています。また、基礎代謝の個人差も、減量効果を左右する重要な要因となっています。

セルライトの多さ

セルライトは、皮下脂肪と老廃物が結合して固まった状態を指します。血行不良リンパ液の循環障害により形成されやすく、代謝の低下を引き起こす要因となります。

【セルライトが体重減少を妨げる理由】
1. 血行不良による代謝低下
2. リンパ液の滞りによる老廃物の蓄積
3. 脂肪細胞の肥大化
4. ホルモンバランスの乱れ

セルライトの改善には以下のアプローチが効果的です。

– マッサージによる血行促進
– リンパドレナージュ
– 温冷交代浴
– 適度な運動による血流改善
– 水分摂取の増加(1日2リットル程度)

元々の肥満度

サクセンダはBMI30以上の重度肥満に対して、より顕著な効果を示すことが臨床試験で確認されています。一方で、軽度の肥満や単なる体重調整を目的とする場合、期待するほどの効果が得られないケースがあります。

【BMIと期待される効果】

BMI値 肥満度 期待される効果
35以上 重度肥満 非常に高い
30-35 肥満 高い
25-30 軽度肥満 中程度
25未満 普通体重 限定的

 

以下のような方は、サクセンダの使用前に医師との詳細な相談が推奨されます。

– BMIが25未満の方
– 急激な体重増加がない方
– 健康診断で肥満以外の指摘がない方
– 過去のダイエットで一定の成果を上げている方

これらの方々は、生活習慣の改善運動療法を主体とした減量アプローチが適している可能性があります。サクセンダの使用は、医師による適切な判断のもと検討する必要があります。

 

 

効果的な使用方法とポイント

サクセンダの効果を最大限に引き出すためには、適切な投与スケジュールの管理が重要です。個々の体質や生活リズムに合わせた使用方法を見つけることで、より確実な効果が期待できます。

適切な投与量の見極め方

個人に適した投与量を見つけることは、効果的な治療の鍵となります。副作用の発現効果の実感のバランスを考慮しながら、段階的に投与量を調整していきます。

【投与量調整の基準】

期間 投与量 確認ポイント
1週目 0.6mg 副作用の有無
2週目 1.2mg 食欲抑制効果
3週目 1.8mg 体重変化
4週目 2.4mg 継続可能性
5週目以降 3.0mg 総合的な効果

 

予定通りの増量で副作用が強い場合や、効果が感じられない場合は、医師に相談のうえ投与量の調整を検討する必要があります。特に、体重減少が停滞している場合や生活リズムに支障が出ている場合は、早めの相談が推奨されます。

効果が出るまでの目安期間

サクセンダの効果は段階的に現れることが特徴です。一般的に、投与開始から4~5日程度で食欲低下や満腹感の持続といった即時的な効果を感じ始めます。その後、2~4週間かけて体重減少が始まり、食習慣の改善も見られるようになります。長期的な効果は3ヶ月以降から現れ、持続的な体重減少や基礎代謝の改善、新しい生活習慣の定着が期待できます。

食欲抑制効果を最大限引き出す投与タイミング

投与のタイミングは、サクセンダの効果を左右する重要な要素です。朝食前の空腹時に投与することで、1日を通じた食欲コントロールが可能になります。また、生活リズム食事時間を考慮し、24時間おきの投与を維持しやすい時間帯を選ぶことが重要です。

投与する際は、食事の2時間以上前が望ましく、胃の調子が悪い時は医師への相談が必要です。特に生活リズムの安定規則正しい食事時間の確保が、サクセンダの効果を最大限に引き出すポイントとなります。アルコール摂取との時間差を確保し、運動前後2時間は避けるなど、個人の生活パターンに合わせて、無理なく継続できる投与時間を見つけることが大切です。

効果を高めるための生活改善

サクセンダを使用する際には、日常生活の見直しが効果を高める重要な要素となります。食生活の改善適度な運動を組み合わせることで、より確実な効果が期待できます。

食事内容の見直し

食欲抑制効果を最大限に活かすためには、食事の質を見直すことが大切です。たとえば、たんぱく質や食物繊維を積極的に摂取し、精製糖質を控えめにすることで、血糖値の急激な上昇を防ぎます。

【理想的な食事の組み立て方】

栄養素 目安量 おすすめ食材
タンパク質 体重×1.2g 鶏むね肉、魚、豆腐
食物繊維 20g以上/日 緑黄色野菜、海藻類
炭水化物 総カロリーの50%以下 玄米、雑穀

運動との組み合わせ方

サクセンダの使用中は、基礎代謝の向上を目指した運動が効果的です。急激な運動ではなく、継続可能な有酸素運動軽めの筋トレを組み合わせることで、脂肪燃焼を促進できます。

ウォーキングなら1日30分程度、水泳やサイクリングであれば週2~3回、20分程度から始めることで、無理なく習慣化できます。

生活リズムの整え方

規則正しい生活リズムは、サクセンダの効果を安定させる重要な要素です。睡眠時間の確保食事時間の規則化により、体内時計が整い、代謝機能が改善されます。

理想的な1日のスケジュールとして、22時就寝、6時起床を目標に、3食の食事時間を固定することで、身体のリズムが整いやすくなります。

ストレス管理の重要性

過度なストレスは、食欲のコントロールを難しくし、サクセンダの効果を減弱させる可能性があります。ストレス解消法を見つけ、心身の健康管理を意識することが大切です。

入浴やストレッチ、軽いヨガなど、自分に合ったリラックス方法を取り入れることで、精神的な安定が保ちやすくなります。

医師との定期的な相談を通じて、ストレスや不安を軽減することも、治療を継続するうえで重要なポイントとなります。

治療継続のためのサポート体制

サクセンダによる治療を成功に導くためには、継続的なサポート体制の構築が不可欠です。医療専門家との連携自己管理の仕組みづくりにより、長期的な治療効果が期待できます。

医師との相談タイミング

定期的な医師との相談は、治療の成功に欠かせない要素です。特に治療開始から3ヶ月間は、月1回程度の診察を通じて、投与量の調整や副作用への対処法について相談することが推奨されます。

副作用の出現時はすぐに医師に相談し、体重の停滞が2週間以上続く場合も早めの相談が必要です。

また、生活リズムが大きく変わる際は、投与時間の調整について医師に確認することで、より効果的な治療を継続できます。

効果モニタリングの方法

客観的な数値による効果の確認は、治療継続の重要な動機付けとなります。毎朝の体重測定に加えて、体脂肪率や腹囲の変化を記録することで、より詳細な経過観察が可能です。

スマートフォンのアプリやノートを活用し、食事内容や運動量、体調の変化などを毎日記録することで、治療効果の可視化ができます。これらのデータは、医師との相談時にも有用な情報となります。

モチベーション維持のコツ

サクセンダによる治療は、数ヶ月から1年以上の長期にわたることが多く、モチベーションの維持が大きな課題となります。具体的な目標設定達成可能な段階的なステップを設定することで、継続的な取り組みが可能になります。

毎月の目標体重だけでなく、服のサイズダウンや健康診断の数値改善など、具体的な成果を実感できる指標を複数設定することをおすすめします。また、治療仲間との情報交換や、家族からのサポートを得ることも、長期的なモチベーション維持に効果的です。

定期的な写真撮影による変化の記録や、3ヶ月ごとの採寸など、目に見える形で進捗を確認できる工夫も重要です。順調に効果が出ている場合は、新しい服の購入や趣味の活動への参加など、自分へのご褒美を設定することで、さらなる意欲向上につながります。

注意点と副作用

GLP-1ダイエットについて検索する女性

サクセンダの使用にあたっては、適切な使用条件の確認副作用への理解が重要です。また、安全な治療継続のために、医師との密な連携が欠かせません。

使用できない人・注意が必要な人

妊娠中や授乳中の方、16歳未満の方はサクセンダを使用できません。また、甲状腺髄様がんの既往がある方や、重度の腎機能障害がある方も使用を避ける必要があります。

以下の方は、医師との詳細な相談が必要です。
– 糖尿病の治療中の方
– 膵臓の病気がある方
– 消化器系の重篤な疾患がある方
– 重度の肝機能障害がある方

併用禁忌薬と注意薬

インスリン製剤GLP-1受容体作動薬との併用は避ける必要があります。また、血糖降下薬を使用中の方は、低血糖のリスクがあるため、医師による慎重な投与量調整が必要です。

【特に注意が必要な薬剤との組み合わせ】
– 経口避妊薬
– 抗凝固薬
– 降圧薬
– 利尿薬

食欲不振以外の副作用への対処法

投与開始時に見られる一般的な副作用として、吐き気や胃の不快感があります。これらは通常、時間とともに改善されますが、症状が気になる場合は以下の対策が有効です:

初期の胃腸症状には、少量の食事を頻回に摂ることや、消化の良い食事を選ぶことで対応できます。また、投与部位の痛みや発赤には、注射部位の変更や清潔な手技が重要です。

まとめ

サクセンダは、適切な使用方法生活習慣の改善を組み合わせることで、効果的な体重減少が期待できる医療用の注射薬です。個人に合った投与量を見つけ、定期的な医師の診察を受けながら治療を継続することが重要です。

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