サクセンダは、GLP-1と呼ばれるホルモンと似た働きをする注射薬で、ダイエット効果が期待できる医薬品として注目を集めています。

実際にサクセンダを使ってみると、食欲が抑えられて体重が減少したという口コミがある一方で、副作用がきついという声も聞かれます。

そこで今回は、サクセンダのダイエット効果副作用について詳しく解説していきます。

サクセンダを使ってダイエットをしたいけれど、副作用が心配で踏み出せないでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

使い方のコツや注意点もお伝えするので、サクセンダをより効果的に、安全に使っていただけると思います。

それではさっそく、サクセンダについて見ていきましょう。 

監修者

LIGHT CLINIC 総合監修医

吹田 真一

国立循環器病研究センター勤務を経てLIGHT CLINICを開業。

サクセンダとは

サクセンダは、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる医薬品の一種で、もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されました。

GLP-1は、食事をすると小腸から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。

サクセンダに含まれる成分は、このGLP-1と似た働きをすることで、食欲を抑制し、体重を減少させる効果が期待できるのです。

海外では肥満治療薬としての使用が認められており、日本でもダイエット目的でサクセンダを処方するクリニックが増えています。

サクセンダの体重減少効果

サクセンダのダイエット効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。

サクセンダを使用することで期待される体重減少効果は、以下のとおりです。

  • 平均して約5~10%の体重減少が見込める
  • 体重減少効果は、投与開始から3ヶ月程度で現れ始める
  • 6ヶ月以上の使用で、より確実な体重減少が期待できる

また、サクセンダは食欲を抑制するだけでなく、脂肪の蓄積を抑える働きもあるため、単に体重が減るだけでなく、体脂肪率の低下にもつながります。

サクセンダの効果には個人差がありますが、適切な使用を継続することで、多くの方が一定のダイエット効果を実感できるでしょう。

サクセンダ中止後の体重変化

では、サクセンダの使用をやめたらどうなるのでしょうか。

せっかくダイエットに成功しても、リバウンドしてしまっては意味がありません。

サクセンダ中止後の体重変化については、以下のようなことがわかっています。

  • 使用をやめると、徐々に体重が戻る傾向にある
  • ただし、リバウンドを防ぐことは可能
  • 体重維持のためには、生活習慣の改善が欠かせない

サクセンダの使用中は食欲が抑えられるため、自然と食事量が減り、体重も落ちていきます。

しかし、中止してしまうと、まだ生活習慣が改善されていないため、以前と同じような食生活に戻ってしまい、体重が元に戻ってしまうのです。

そのため、サクセンダを使ってダイエットをする際は、並行して食事療法や運動療法に取り組むことが大切です。

正しい生活習慣を身につけることで、サクセンダ中止後も体重をキープしやすくなります。

サクセンダの使い方

ここからは、サクセンダの具体的な使用方法について説明していきます。

サクセンダを処方されたら、正しい使い方を守ることが大切です。

用法・用量を守らないと、十分な効果が得られなかったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。

保存方法

サクセンダは、冷蔵庫で保存してください。

室温で保管すると、薬効が下がるおそれがあります。

ただし、凍結厳禁です。

冷蔵庫の中でも、冷気が直接当たらない場所を選びましょう。

使用中のペンは、冷蔵庫に保存する必要はありません。

ペンケースに入れて、涼しい場所に保管してください。

ただし、1本を使い切るまでに30日以上かかる場合は、使用開始から30日後に破棄してください。

注射方法

サクセンダは、皮下注射で使用します。

注射部位は、腹部、大腿部、上腕部が適しています。

同じ部位に繰り返し注射すると、硬くなったりあざができたりすることがあるので、毎回注射する場所を変えるようにしましょう。

注射の手順は以下のとおりです。

  1. ペン先の保護キャップを外す
  2. 注射部位を消毒する
  3. ペンを注射部位に垂直に当て、ボタンを押して注射する
  4. 注射後、ゆっくりとペンを引き抜く
  5. 注射針を交換し、ペン先にキャップをする

増量方法

サクセンダの投与量は、少量から始めて徐々に増やしていくのが一般的です。

以下は、よく用いられる増量の目安です。

  • 0.6mg 1日1回  1週間
  • 1.2mg 1日1回  1週間
  • 1.8mg 1日1回  1週間
  • 2.4mg 1日1回  1週間
  • 3.0mg 1日1回  維持量

増量のペースは、医師の指示に従ってください。

副作用が強く出る場合は、増量を延期したり、減量したりすることもあります。

治療期間

サクセンダの治療期間は、3ヶ月から1年程度が一般的です。

3ヶ月程度使用して、一定の体重減少が見られた場合は、そこで治療を終了する方法もあります。

ただし、リバウンド防止のためには、ある程度の期間、使用を継続しながら生活習慣の改善を図るのがおすすめです。

6ヶ月から1年程度の使用であれば、体重減少とリバウンド防止の両立がしやすいでしょう。

ただし、漫然と使用を続けるのは避け、体重の推移を見ながら、医師と相談の上で治療期間を決めてください。

サクセンダの副作用

サクセンダはダイエット効果の高い薬ですが、副作用のリスクも無視できません。

ここでは、サクセンダを使用する際に注意すべき副作用について解説します。

よく聞く副作用

まずは、サクセンダを使用した際によく見られる副作用を見ていきましょう。

低血糖症状

サクセンダは、血糖値を下げる働きがあります。

そのため、使用中は低血糖症状が起こるリスクがあります。

以下のような症状がある場合は、低血糖が疑われます。

  • 冷や汗
  • 震え
  • 動悸
  • めまい
  • 空腹感

ただし、サクセンダの低血糖リスクは比較的低いとされています。

食事制限が厳しすぎると低血糖を起こしやすくなるので、注意が必要です。

便秘

便秘も、サクセンダの代表的な副作用の1つです。

おおよそ、4人に1人の割合で起こるとされています。

サクセンダは、胃腸の動きを抑える働きがあるため、便秘を引き起こすのです。

特に、治療開始から2~3ヶ月は便秘が起こりやすいようです。

水分を十分にとったり、運動をしたりすることである程度予防できます。

ただ、それでも便秘がひどい場合は、医師に相談しましょう。

吐き気、胃もたれ

サクセンダの副作用で最も多いのが、吐き気や胃もたれです。

およそ**40%**の人が経験するとの報告もあります。

吐き気や胃もたれは、サクセンダが消化管の動きを鈍くすることが原因です。

多くの場合、数週間程度で治まりますが、ひどい場合は減量や休薬が必要なこともあります。

症状が治まらない場合は、我慢せずに医師に相談してください。

下痢

便秘とは反対に、下痢になることもあります。

こちらは、おおよそ5人に1人に起こるようです。

これも消化管の動きが変化することが原因です。

ほとんどの場合、一時的な症状で、数日から数週間程度で治まります。

脱水に注意しながら、様子を見てください。

重篤な副作用のリスク

サクセンダには、重大な健康被害につながる副作用のリスクもあります。

頻度は高くありませんが、以下のような副作用の報告があります。

  • 急性膵炎
  • 胆嚢疾患
  • 甲状腺髄様がん
  • アナフィラキシー反応

これらの副作用は、早期発見・早期治療が大切です。

以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

  • 激しい腹痛
  • 背中の痛み
  • 皮膚や粘膜のかゆみ、むくみ
  • 呼吸困難

サクセンダを使用できない方

一部の方は、サクセンダを使用できません。

以下のような方は、サクセンダの使用が禁止されています。

  • 糖尿病の方
  • 甲状腺髄様がんまたはその疑いのある方
  • 膵炎の既往歴がある方
  • 妊婦または妊娠の可能性がある方
  • 授乳中の方

また、以下のような方は、慎重投与といって、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ使用が認められます。

  • 重い胃腸疾患のある方
  • 甲状腺疾患のある方
  • 腎臓病のある方
  • 肝臓病のある方

治療を始める前に、必ず医師に自分の病歴や体質について伝え、使用の可否を判断してもらいましょう。

サクセンダを使うにあたっての注意点

サクセンダを使ってダイエットを行う際は、いくつか注意点があります。

ここでは、サクセンダをより効果的に安全に使っていただくためのポイントをお伝えします。

過度な食事制限は避ける

サクセンダは食欲を抑える効果が期待できるため、自然と食事量が減っていきます。

しかし、だからといって極端に食事制限をしてしまうのは危険です。

過度な食事制限は、低血糖症状栄養不足を招くおそれがあります。

サクセンダを使用中も、1日3食はしっかり食べるようにしましょう。

バランスの良い食事を心がけ、ゆっくりよく噛んで食べる習慣をつけることが大切です。

食べる量は減らせても、栄養は十分にとることを意識してください。

毎日の注射を継続する

サクセンダは、毎日欠かさず注射し続けることで効果を発揮します。

面倒だからと注射を怠ると、十分な効果は得られません。

また、自己判断で注射の量を増やしたり、間隔を狭めたりするのも厳禁です。

用法・用量は必ず守るようにしてください。

毎日注射を打つのが苦痛に感じる方もいるかもしれません。

でも、根気強く続けることが大切です。

ダイエットの目標を明確にして、それに向かってコツコツと努力を積み重ねていきましょう。

GLP-1ダイエット前の準備

サクセンダを使ったダイエットを始める前に、体の状態を確認しておくことが大切です。

特に、肝機能腎機能血糖値などは チェックが必要です。

持病があったり、普段から体調に不安がある方は、必ず事前に医師に相談しましょう。

また、サクセンダは自己注射の薬剤なので、正しい注射方法を身につけることも重要です。

医師や看護師から丁寧に指導を受け、手技に不安がないようにしておきましょう

GLP-1ダイエットを始める前には、以下のような準備が必要です。

  • 体重と体脂肪率を測定する
  • 血液検査で肝機能や腎機能、血糖値をチェックする
  • 自己注射の手技を身につける
  • 適度な運動習慣をつける
  • バランスの良い식事について学ぶ

これらを整えてから、ダイエットをスタートさせるのがおすすめです。

無理のない範囲で、生活習慣を改善していくことが成功の秘訣ですよ。

サクセンダとビクトーザの違い

サクセンダとビクトーザは、どちらもGLP-1受容体作動薬に分類される注射薬です。

ダイエット効果が期待できる点は共通していますが、いくつか違いもあるので整理しておきましょう。

まず、適応疾患が異なります。

サクセンダは肥満症に対する適応がある一方、ビクトーザは2型糖尿病の治療薬として使用されます。

次に、用量設定も違いがあります。

サクセンダは0.6mgから0.6mg刻みで最大3.0mgまで増量できるのに対し、ビクトーザは0.3mgから0.3mg刻みで最大1.8mgまでとなっています。

ダイエット効果を強く実感したいのであれば、用量設定の幅が広いサクセンダがおすすめです。

ただし、用量が多いぶん、副作用のリスクは高くなるので注意が必要です。

価格については、ビクトーザの方が若干安価です。

ただ、これはあくまで薬剤費のみの比較なので、実際の治療費を考えるときは、診察料などもプラスして考えましょう。

【表:サクセンダとビクトーザの違い】

サクセンダ ビクトーザ
適応疾患 肥満症 2型糖尿病
用量 0.6mg~3.0mg 0.3mg~1.8mg
薬価(1本あたり) 約25,000円 約18,000円

サクセンダの料金と購入方法

続いて、サクセンダダイエットにかかる費用と購入方法を見ていきましょう。

1ヶ月の必要本数

サクセンダは、1本で1ヶ月分に相当します。

ただし、これは1日0.6mgを使用した場合の目安です。

実際には、段階的に増量していくことが一般的なので、特に治療開始時は1本で1ヶ月は持たないこともあります。

おおよその費用を把握するには、以下を参考にしてください。

  • 1日0.6mg(最少量)→ 1本で約30日分
  • 1日1.2mg → 1本で約15日分
  • 1日1.8mg → 1本で約10日分
  • 1日2.4mg → 1本で約7日分
  • 1日3.0mg(最大量)→ 1本で約6日分

購入可能なクリニック

サクセンダを購入できるのは、ダイエット外来のあるクリニックです。

健康保険が使えないため、費用は全額自己負担となります。

クリニックによって多少の価格差はありますが、サクセンダ1本あたりの料金相場は以下のとおりです。

  • 1本(18mg):20,000円~25,000円程度

これに初診料再診料が上乗せされるので、1ヶ月の治療費は安くても3万円以上かかると考えておきましょう。

通院が難しい方のために、オンライン診療を行っているクリニックもあります。

処方箋の受け取りから代金の支払い、薬の受け取りまで、全てオンライン上で完結できるので便利です。

ただし、初回は対面での診察が必要なクリニックが多いので、事前にしっかり確認しておきましょう。

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まとめ

サクセンダは、強力なダイエット効果が期待できるGLP-1受容体作動薬です。

食欲を抑え脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるため、飲食制限なしでも確実に体重を減らせるのが特徴です。

ただし、副作用のリスクもあるので、正しい使い方を守ることが大切です。

低血糖症状消化器症状など、比較的よく見られる副作用には要注意です。

中には、重大な健康被害につながる重篤な副作用の可能性もあるので、異変を感じたらすぐに医師に相談しましょう。

また、治療中は過度な食事制限を避け毎日欠かさず注射を続けることが肝心です。

肝機能腎機能血糖値など、治療前の検査も忘れずに行ってくださいね。

サクセンダは高価な薬なので、経済的な負担は少なくありません

1ヶ月に必要なのは1本から5本程度で、それだけで数万円かかります。

費用を抑えるには、少量から始めて徐々に増量していくのがおすすめです。

ビクトーザなどの他の選択肢と比較検討してみるのもよいでしょう。

いずれにせよ、サクセンダを使って健康的にダイエットを行うためには、医師とよく相談しながら進めることが大切です。

ダイエットの目的や自分の体質などを考慮し、最適な方法を見つけていきましょう

サクセンダは万能薬ではありませんが、正しく使えば強い味方になってくれるはずです。

無理のない範囲で、できることから始めていきましょう

サクセンダダイエット、ぜひ成功させてくださいね!